登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4) |
登録年 | 2000年 |
クロンボー城は、デンマークのシェラン島にある古城。16世紀にルネサンス様式に改築されたこの城は、海峡を挟んでスウェーデンを監視できる位置に立ち、軍事的に重要な役割を果たしてきました。そして、城はシェイクスピアのハムレットの舞台としても有名です。
ここでは、クロンボー城がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クロンボー城について詳しくなること間違いなし!
クロンボー城とは?
デンマークとスウェーデンの間のエーレスンド海峡にある要塞の機能を持った城。 バルト海への玄関口であり、たった4kmしかないこの狭い海峡で、15〜19世紀までデンマークはクロンボー城を利用してこの海峡を統治していました。実は、この海峡を通るすべての船がクロンボー城で通行料を支払わなければならず、この「エーレスンド海峡通行税行税」は一時デンマークの歳入の3分の2にまでなるほどに重要な税だったのです。
15世紀ころにエーリク7世によって、クロンボー城の前身である砦が建設。1574年には、デンマークのルネサンス君主として知られるフレゼリク2世によってルネサンス風の要塞に改築され、王宮が置かれました。この頃からクロンボー城と呼ばれるように。17世紀には火災が発生し、礼拝堂以外はすべて燃えてしまいましたが、その後は何度も改築が行われ、18世紀からはスウェーデン軍が管理しています。
城の構造は、中庭を囲むように4つの建築物を合わさったルネサンス様式のスタイル。その建築物に塔と尖塔などが並び、遠方から見てもその美しさが際立ちます。特に城内にある大広間は建設当時、北ヨーロッパで最も広い部屋とされていたほど。クロンボー城は、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』で「エルシノア城」として登場しており、ここでハムレットの演劇公演が行われることも。
クロンボー城はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
クロンボー城が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
クロンボー城はルネサンス様式で作られた建設物の代表的な例であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
クロンボー城はデンマークのルネサンス期にフレゼリク2世が大幅に改装されたこともあり、ルネサンス様式の城の傑作として評価されています。そして、ここまで要塞化が進んだ理由としては、通行税を取るため、より強固にする必要があったため。
ちなみに、ハムレットの「エルシノア城」のモデルとして知られますが、実際はシェイクスピアはここを訪れていません。確かに、ハムレットは劇中ではデンマーク王子だったものの、あくまでも北欧の伝説が物語のモデルとなったようです。まぁ、それを言うのなら『ヴェニスの商人』も実際に訪れて書いたわけではないですし…細かいことを言うとキリがないのですが。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。