インドの世界遺産「エレファンタ石窟群」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(3)
登録年1987年

インド西部の最大都市ムンバイの近くに浮かぶエレファンタ島には、6〜8世紀に建造されたヒンドゥー教寺院が残ります。ここはシヴァ神信仰の中心地で、特に巨大な「三面のシヴァ神の胸像」は、ヒンドゥー教芸術の傑作の一つ。

ここではエレファンタ石窟群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、エレファンタ石窟群について詳しくなること間違いなし!

目次

エレファンタ石窟群とは?

エレファンタ石窟群
画像素材:shutterstock

ムンバイ近海のアラビア海に浮かぶエレファンタ島(現ガラプリ島)は、小さい島ながらも紀元前2世紀に遡る遺跡があるほどに歴史深い聖地。

ここには紀元前5世紀後半頃から洞窟が築かれ、第1窟には最も有名な「三面のシヴァ神の胸像」があることで有名です。高さ5.5mの巨大な像は、ヒンドゥー教の最高神の一人のシヴァを表現したもの。左は破壊神、中央は瞑想、右は守護神となっていて、さまざまな役割を持つシヴァの側面が見事に表現されています。

各洞窟はヒンドゥー教の思想が見られますが、一部は仏教の洞窟もあります。ここは16世紀にポルトガル人によって再発見される頃には崇拝の場所でなくなっていた様子で、その後、ポルトガル人はここを銃の練習する場所とされたために、保存状態が悪い彫刻も。

エレファンタ石窟群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

三面のシヴァ神の胸像/エレファンタ石窟群
画像素材:shutterstock

エレファンタ石窟群が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
島内に残る15の大きな石窟のレリーフは、ヒンドゥー教の傑作であり、シヴァ信仰を示すものでもあるという点。

登録基準(iii)
エレファンタ島の石窟には、シヴァ神を含めたさまざまな神の像が残り、西インドに残る石窟の中でも傑作であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

エレファンタ島に残る7つの石窟は、シヴァ信仰が盛んな地であり、シヴァ神の胸像などはその名残で、西インドに残る石窟においてもヒンドゥー教の分野で傑作であるという点で評価されています。

ちなみに、エレファンタ島はポルトガル人が島にインドゾウの像があったことから名付けた名前(ゾウ=エレファンタ)であって、もともとはガラプリ島と呼ばれていました。そして、名前の由来になったインドゾウの像は現在はムンバイ市内にあるものの、あまり保存状態はよくありません。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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