インドネシアの世界遺産「ボロブドゥール寺院遺跡群」とは?場所はどこにある?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1), (2), (6)
登録年1991年

ボロブドゥールは、インドネシアのジャワ島中部にある仏教寺院遺跡。8〜9世紀にかけて建造され、高さ33.5mのピラミッド状の建造物に無数の仏塔や仏像が配置された、世界でも最大規模の仏教遺跡です。周辺に残る、パウォン寺院やムンドゥー寺院も合わせて登録されている遺産。

ここでは、ボロブドゥール寺院遺跡群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ボロブドゥールについて詳しくなること間違なし!

目次

ボロブドゥール寺院遺跡群とは?発見された場所は?

画像素材:shutterstock

インドネシアのジャワ島中部のケドゥ盆地に残る遺跡群で、周辺の中心都市ジョグジャカルタからは北西約42kmに位置しています。これはジャワ島を中心に栄えたシャイレーンドラ朝の時代に造られたもので、8〜9世紀に建造されたと考えられているもの。王朝は大乗仏教を厚く信仰していたので、こちらも大乗仏教の寺院。

しかし、シャイレーンドラ朝が崩壊すると、1000年近く密林の中に埋もれていました。1814年にトーマス・ラッフルズによって発見されると発掘や修復が進みましたが、それでも1960年代は崩壊寸前となりました。1973年からユネスコにより大幅に修復され、1982年に現在のような美しい姿に修復されます。

ボロブドゥール寺院から東へ1765mの位置にパウォン寺院、さらに東へ1165mの地点にはムンドゥー寺院があります。これらが一直線に並ぶ理由は分かっていませんが、かつては寺院同士を結ぶ参道があったと考えられているもの。合わせて登録されたことから「ボロブドゥール寺院遺跡群」として登録されています。

登録されている主な構成遺産

ボロブドゥール寺院

画像素材:shutterstock

まず、「寺院」という名前ではあるのですが、入口はなく、もともとこの地に存在していた丘の周りを囲み、約115m四方の基壇の上に5層の方形壇、3層の円形壇を重ねて建てられた、階段ピラミッドのような構造。頂上には、小さなストゥーパが72も並ぶ、まさに「立体曼荼羅」。内部には入れないものの、回廊を登っていくことで仏教の真理へと到達できると考えられているもの。

ボロブドゥール寺院は、大乗仏教の宇宙観を表したもので、基壇は欲望にとらわれた人々が住む「欲界」、方形壇は欲界を超越して物質(色)を求める人々が住む「色界」、円形壇は色界を超越した精神を有する生物が住む「無色界」という「三界」がモチーフ。方形壇の回廊には1460面のレリーフが造られており、時計回りに巡ると、ブッダの教えやそのストーリーが分かるといった構造になっています。

最上階にはストゥーパが72基も置かれていて、その中には仏像が設置。頂上にはブッダの遺骨が収められたと伝わる巨大なストゥーパがあります。なんと、寺院には合計で504体もの仏像が安置。

ボロブドゥールは何度も改修されていることから、寺院そのものがシャレーンドラ朝の王家の霊廟とも考える説もあります。

パウォン寺院(パオン寺院)

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8世紀末に完成した小さな寺院。ボロブドゥール寺院よりもやや古い建造物と考えられています。おそらくは、王の埋葬地として建造されたものと考えられていますが、埋葬者は不明。美しいレリーフで覆われていて、音楽の神であるキンナラ(緊那羅)とキンナリを表したものや天女アプサラスなども見られます。

ムンドゥー寺院(ムンドゥッ寺院)

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8世紀末〜9世紀初頭に完成したものであり、3つの中で最も古い建造物とされています。主祠堂は幅24mで奥行きは28m。入口の階段の側面のレリーフは、ブッダが生まれ変わる前のストーリーである「ジャータカ」がモチーフ。主室には釈迦三尊(大日如来、毘盧遮那仏、阿弥陀如来)が置かれています。シャイレーンドラ朝は大乗仏教を保護したため、日本の法隆寺と同じような仏像安置のスタイル。

ボロブドゥール寺院遺跡群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

ボロブドゥールが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
大乗仏教の宇宙を表す、階段ピラミッド状に築かれたボロブドゥール寺院は、仏教建築の傑作であるということ。

登録基準(ii)
寺院群は8〜9世紀にかけてのインドネシアの芸術と建築様式の結晶であり、その後の時代の建築物に大いに影響を与えたということ。

登録基準(vi)
ボロブドゥールの寺院群は、ジャワ島の先住民の祖先崇拝の概念と、涅槃(ニルヴァーナ)に至るという仏教の概念を組み合わせたものであったと考えられるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

まず、ボロブドゥール寺院は、8〜9世紀のインドネシアの仏教建築としての傑作ではありますが、それは土着の祖先信仰と結びついて根付いた仏教の概念で建造されたものであったということ。そして、寺院自体は忘れ去られていきましたが、この建築技術は後の時代へと引き継がれていったという点で評価。

ちなみにですが、このピラミッド状の寺院というのは、実は仏教が入ってくる前から存在していたという説もあり、周辺の村には今でもシャーマンが管理するピラミッド状の「プチ・ボロブドゥール」とも言うべき遺跡もあったりと謎は深まるばかり…。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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