登録区分 | 自然遺産 危機遺産2011年〜 |
登録基準 | (7),(9),(10) |
登録年 | 2004年 |
インドネシア西部に浮かぶスマトラ島。世界遺産としては3つの国立公園で構成されています。各地の熱帯雨林には、多くの固有種を含む1万種もの植物、200種以上の哺乳類、約580種の鳥類が生息し、固有種で絶滅危惧種のスマトラオランウータンも暮らしているというほどに貴重なもの。
ここではスマトラの熱帯雨林遺産がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スマトラの熱帯雨林遺産について詳しくなること間違いなし!
スマトラの熱帯雨林遺産とは?
スマトラ島の北部にあるグヌン・ルスル国立公園、中部にあるクリンチ・スブラット国立公園、南部のブキット・バリサン・スランタン国立公園の3つで構成。総面積は2万5000平方kmにもなる、東南アジア最大級の保護地域の一つ。
インドネシアで最も高い火山・クリンチ山などが含まれていて、高地の森林から低地の熱帯雨林まで登録されているため、生物多様性が見られます。ここには17もの固定種を含めた1万種もの植物が見られるのが特徴。鳥類は約580種、哺乳類は約200種が見られ、スマトラオランウータンやスマトラトラ、スマトラサイ、スマトラゾウといった固有種で絶滅危惧種も生息。
危機遺産(危機にさらされている世界遺産)
貴重な動物が狙った密猟や、違法伐採、農地の拡大などが原因で状況も改善しないため、2011年から危機遺産に登録されています。
スマトラの熱帯雨林遺産はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
スマトラの熱帯雨林遺産が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
スマトラの熱帯雨林遺産は、「スマトラのアンデス」とされるバリサン山脈内に見られるもので、火山や火山湖、噴火口、氷河湖、洞窟、滝、森林など、さまざまな自然景観が見られるという点。
登録基準(ix)
これらはかつて島が広大な森林で囲まれていた時代を残すもので、熱帯雨林の進化過程を現在までを示す重要なエリアであるということ。
登録基準(x)
スマトラの熱帯雨林遺産の登録エリアは、スマトラ島の植物の50%以上が含まれていて、グヌン・ルスル国立公園では、92もの固有種が生息し、世界最大の花であるラフレシア・アルノルディイなども見られます。ここは東南アジアの消滅しつつある動植物を保護する場所でもあるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
スマトラの熱帯雨林遺産は、火山や森林などさまざまな風景が見られ、島で減少しつつある森林や動植物の保護する場所で、スマトラオランウータンなどの固有種や絶滅危惧種なども多く生息するという点で評価されています。
ちなみに、世界最大の花としては、最大の直径が90cmになる、ラフレシア・アルノルディイではあるのですが、同じくスマトラ島の熱帯雨林に生息する、ショクダイオオコンニャクの花は直径が1.5mにもなることで有名。しかし、これはあくまでも花序と仏炎苞の複合体であり、独立した花として世界最大なのは、ラフレシア・アルノルディイ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。