登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (3), (4) |
登録年 | 1985年 |
セゴビアのアルカサル(城)は「セゴビア旧市街と水道橋」の構成資産の一つ。かつてスペイン王国が誕生する以前には王宮が置かれていて、その美しい外観はディズニー映画のモデルにもなったほど。ところで、アルカサルはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではアルカサルがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アルカサルについて詳しくなること間違いなし!
セゴビアのアルカサル(城)とは?
セゴビアはスペイン中央部のカスティーリャ・イ・レオン州にある要塞都市。アルカサルは城を示し、旧市街の西北に位置していて、ここはエレスマ河とクラモレス河が合流する地点の丘の上にそびえ立ちます。ケルト人が住み始めたころは丘の上に要塞が立っていましたが、要塞はローマ帝国によって破壊。
その後、イスラム教徒によって城の土台が築かれたとされますが、11〜12世紀にカスティーリャ王国がこの地を支配するようになると、国王アルフォンソ6世(1040年頃〜1109年)によって城が建造されています。記録として初めて言及されたのは12世紀ころ。
その時代のアルカサルは木造の砦でしかありませんでしたが、12〜13世紀のアルフォンソ8世(1155~1214年)の時代になると王宮として利用されるようになりました。その後、増築が進み、15世紀にはカスティーリャ女王イサベル1世(1451〜1504年)がここで即位するほどに重要な地に。何度か改修され、現在の姿になったのは、19世紀ころです。
城には、4つの塔といくつかの豪華な広間があり、各時代の芸術家によって築かれた美しい装飾や肖像画が今でも見られるのが特徴。玉座の間は、晩餐会やイベントなどに利用されたもので、現在はイサベル1世の戴冠式の壁画が置かれています。
ディズニー映画『白雪姫』のモデルにもなっている?
アルカサルはディズニー映画の『白雪姫』に登場する城のモチーフとなったということで有名です。しかし、劇中に登場する城はあまり似ておらず、他にもドイツのノイシュヴァンシュタイン城などを合わせているという説もあり、一応はアルカサルがメインモチーフになっているといった程度ではある様子。
セゴビアのアルカサル(城)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
アルカサルが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
セゴビアの旧市街は、水道橋やアルカサル、大聖堂など、歴史も深く、美しい建造物で構成されているという点。
登録基準(iii)
セゴビアの旧市街に残る区画と建築物は、さまざまな文化が混じり、その複雑な歴史を示しているということ。
登録基準(iv)
セゴビアは、多様な文化を取り入れた都市で、それぞれの建築様式を取り入れ、独自の建造物が多く造られていったという点。
世界遺産マニアの結論と感想
アルカサルは、さまざまな民族によって形成されたもので、カスティーリャ=アラゴン連合王国の王室が置かれただけに文化や建築様式が入り混じり、その複雑な歴史を示しているという点で評価されています。
ちなみに、白雪姫はグリム童話に収載されていることで有名で、もともとはドイツ中央部のヘッセン州の民話がルーツとされています。とはいえヨーロッパ各地に似たような類話があり、スペイン版だと『まま娘』と呼ばれるそう。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。