登録区分 | 文化遺産(危機遺産1982年~) |
登録基準 | (2), (3), (6) |
登録年 | 1981年 |
ヴィア・ドロローサ(十字架への道)は「エルサレムの旧市街とその城壁群」の構成遺産の一つ。イエス・キリストが裁判で十字架刑として裁かれ、ゴルゴダの丘へと向かうまでの道のりを示したもの。ところで、ヴィア・ドロローサはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではヴィア・ドロローサがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヴィア・ドロローサについて詳しくなること間違なし!
ヴィア・ドロローサ(十字架への道)とは?

聖書によると、エルサレムに到着したイエス・キリストは十字架刑となりました。よって、旧市街には十字架を背負ってゴルゴダの丘までの行った道のりがあったとされ、ラテン語でヴィア・ドロローサ(苦難の道)という意味からこのルートはそのように呼ばれています。現在のルートは旧市街の東側に位置し、総督ピラトの屋敷があったとされる「ライオン門」から西側のゴルゴダの丘があったとされる「聖墳墓教会」まで続き、14の留(りゅう)と呼ばれる中継点には、聖書のエピソードを表した建造物が残っています。
しかし、70年には市街地は破壊されてしまい、帝政ローマ時代の道は残っていません。このルートが崇拝されるようになったのは14世紀ころから。キリスト教徒がこの道を歩くという伝統が始まったとされ、ルートは時代によって何度も変更しています。金曜の午後になると、聖地巡礼者たちがヴィア・ドロローサを練り歩くという行事が行われ、苦難の道をたどるという伝統は現在まで引き継がれています。
ヴィア・ドロローサ(十字架への道)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ヴィア・ドロローサが評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
エルサレムは、古来から支配者が変わり、さまざまな文化が交流した地であるという点。
登録基準(iii)
エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つの宗教の聖地であり、それぞれの宗教に関連する建造物が残るということ。
登録基準(vi)
三大宗教関連以外にも、世界史における重要な出来事が多く発生した都市であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ヴィア・ドロローサは、この地でイエス・キリストが磔刑となったということから、キリスト教にとっては重要なルートであり、途中にはイエスにまつわる建造物が築かれているという点で評価されています。
ちなみに、第6留の石柱には、ベロニカと呼ばれる女性がイエスの顔を拭いたとされる場所で、布にはイエスの顔が浮かび上がるようになり、後世には「ベロニカのベール」と呼ばれ、ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂に安置されています。そして、この布はすごく回復力を誇っていて、難病も感知させるとか…。というようなエピソードが各所でたくさん残っているのがヴィア・ドロローサの特徴。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。