イタリアの世界遺産「コンスタンティヌスの凱旋門」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1), (2), (3), (4), (6)
登録年1980年(1990年拡大)

コンスタンティヌスの凱旋門は「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」の構成資産の一つ。古代ローマ市でも最大の凱旋門で、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世の戦勝を記念した建造物。ところで、コンスタンティヌスの凱旋門はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではコンスタンティヌスの凱旋門がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コンスタンティヌスの凱旋門について詳しくなること間違いなし!

目次

コンスタンティヌスの凱旋門とは?

コンスタンティヌスの凱旋門
画像素材:shutterstock

古代ローマ市の中心部であるフォロ・ロマーノとコロッセオとの間に位置する凱旋門。これは315年にローマ帝国の西帝であったコンスタンティヌス1世(在位:306〜337年)が、当時の正帝であったマクセンティウスを312年のミルウィウス橋の戦いで勝利したことを記念して建造されたもの。

高さ21mの凱旋門は3つの門があり、ローマの中でも最大のもの。ほとんどの部分が白大理石から構成され、基礎と下部は石灰華、最上部はレンガ、円柱は黄色の大理石を使用。各部分は他の建築物の一部をコンスタンティヌス帝が転用したと考えられ、近年では2世紀には門が既に存在していたと考えられています。中央の門の両脇にあるパネルは、2世紀建造のトラヤヌス帝のフォルムを転用し、最上層のパネルは、マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝(在位:161〜180年)の凱旋門を転用したもの。

コンスタンティヌスの凱旋門はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

コンスタンティヌスの凱旋門
画像素材:shutterstock

コンスタンティヌスの凱旋門が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
ローマは、古代から現在まで3000年にも及ぶ歴史を持つ芸術的な建築物であるということ。

登録基準(ii)
古代ローマからルネサンス、バロック、新古典主義まで、ローマ発祥の芸術は世界中の都市計画や建築物、芸術の発展に大きな影響を与えてきたということ。

登録基準(iii)
ローマの遺跡は保存状態がよく、現在も当時の芸術と建築技術の高さがよく見られるという点。

登録基準(iv)
ローマは中心部の都市開発は、3000年近くも途切れることなく続いており、古い町並みと現代建築が調和できるようになっているということ。

登録基準(vi)
キリスト教が伝来してから2000年以上の間、ローマはキリスト教世界の中心都市であり、ヨーロッパの文化の基盤であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

コンスタンティヌスの凱旋門は、コンスタンティヌス1世の戦争の勝利を祝うものであり、かつての皇帝たちの建造物の一部が転用され、これらはローマの建築技術の高さを示すという点で評価されています。

ちなみに、フランスのパリ1区にあるカルーゼル凱旋門は、コンスタンティヌスの凱旋門をモデルにしていて、こちらもナポレオンによるアウステルリッツの戦い(1805年)の勝利を祝って1806~1808年にかけて建造されたもの。ちなみに、有名なエトワール凱旋門のこちらの勝利を祝うために建造されたのですが、完成は1836年と時間がかかっています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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