登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3) |
登録年 | 1983年 |
スイス中央部にあるベルンはスイス連邦の首都。ここはアーレ川に囲まれた丘の上に12世紀に建造された都市で、何世紀にも渡って発展してきました。石造りのアーケードと100以上もある噴水が残り、中世の町並みが今でもよく保存されています。
ここでは、ベルン旧市街がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ベルンについて詳しくなること間違いなし!
ベルン旧市街とは?スイス連邦の首都である都市
スイスの中央部からやや西にあるのが、スイス連邦の首都であるベルン。人口は約14万人と国内でも4番目の規模の街ではありますが、ここにはスイス連邦議会議事堂があり、首都機能を持つ都市でもあります。
ベルンは12世紀前半に、アーレ川に囲まれた丘の上にベルトルト5世(ベルトルト・フォン・ツェーリンゲン)によって森を切り開いて建造されました。街は13〜14世紀に拡大するものの、当時は木造住宅であったため、15世紀前半の火災でほぼ全焼。それ以降は石造りの建造物に変更され、15世紀には石造りのアーケード、16世紀にはルネサンス様式の噴水が建造され、街は華やかになっていきます。
1848年にスイスの首都になると、連邦議事堂や大学など、新しい建築物が多く建造され、街の大部分は18世紀に改修されますが、旧市街は中世の区画は残されたまま現在へと至っています。
登録されている主な構成資産
ツィットグロッゲ(時計塔)
スイスで最も古い時計台で、英語に訳すと「タイムベル」。13世紀に建造された城門の上に、16世紀には時計が設置され、現在まで稼働しています。17世紀になると、時計は定時になると熊や鶏、王などが踊り出すという仕掛け時計となりました。
聖ヴィセンテ大聖堂(ベルン大聖堂)
1421年に建造され、竣工まで150年近くもかかった大聖堂。後期ゴシック様式の傑作で、スイスでも最大規模のゴシック建築。正面入口にある飾り彫刻には、200を超える像によって構成される『最後の審判』のレリーフがあります。大聖堂のシンボルである100mの塔はスイスで最も高いもの。
噴水
ベルンは100を超える噴水で構成され、それぞれに個性的な彫刻が刻まれていることで有名。例えば、モーセやサムソンなど、聖書の登場人物やベルトルト5世など、カラフルに彩色された像が多く見られます。
スイス連邦議事堂
ベルンがスイスの首都とされると、19世紀後半から20世紀初頭にかけて建造されたもの。東棟と西棟に建物が分かれ、それを繋ぐように建造されたドームにのある建造物で構成されています。
ベルン旧市街はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ベルンが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
ベルンは首都としてさまざまな建造物を組み合わせながらも、中世都市の町並みを保存してきたという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ベルンは19世紀まで小さな地方都市であったので町並みは割と保存されていました。その後、首都として国家機関や大学などが建造されても、その町並みを壊すことなく維持できているという点で評価されています。
古き良き町並みが残るベルンですが、この街でアインシュタインが相対性理論の論文を執筆したことで有名で、当時のアインシュタインが住んでいた家は、アインシュタイン・ハウスとして展示館になっています。ちなみに、有名な「相対性理論」はバスに乗っている時に、ツィットグロッゲの針をなんとなく見た時に思いついたとか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。