登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (2),(3),(4),(5),(6) |
申請年(暫定リストに記載) | 2007年 |
飛鳥水落遺跡(あすかみずおちいせき)は「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成遺産の一つ。「漏刻台(ろうこくだい)」と呼ばれる水時計の一種があったとされています。ところで、飛鳥水落遺跡はなぜ世界遺産候補なのでしょうか?
ここでは飛鳥水落遺跡がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、飛鳥水落遺跡について詳しくなること間違なし!
飛鳥水落遺跡とは?

奈良県明日香村にある、飛鳥時代の遺跡。ここは「漏刻台」のために建造された設備であったとされ、漏刻の構造としてはいくつかの水槽に細い管で水が流入するようにして、その水面の高さで時間を図るというもの。これは『日本書紀』から天智天皇(626〜672年、かつての中大兄皇子)の時代に建造されたということが判明しています。
遺構は11m四方の正方形の平面に24本の柱があり、基壇の上には階段状の建造物である「漏刻台」の跡が残っていて、ここでは異なる高さにあるいくつかの水槽を細い管で繋ぎ、サイフォンの原理で時刻を計っていたとされます。中央には水槽の跡があり、ここでは給水や排水が行われるようになっていて、この台の水位の変化によって四方にある鐘鼓(しょうこ)を供えた建物から時を知らせていたと考えられるもの。
飛鳥水落遺跡はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?



日本政府が提出したの暫定リストに記載されている登録基準としては、以下の点。
※これらは2007年に暫定リストに記載された、日本における基準です。
登録基準(ii)
文化の交流を示すもの
登録基準(iii)
現存or消滅した文明の証拠
登録基準(iv)
人類の歴史を象徴する建築物の代表的な段階や景観の見本
登録基準(v)
伝統的集落や人類と環境の交流の見本
登録基準(vi)
人類史上に残る出来事や現存する伝統、思想、信仰、芸術
世界遺産マニアの結論と感想
水落遺跡の水時計の仕組みは、飛鳥時代の技術や知識などが見られ、さらにここは当時の政治や文化の中枢であった飛鳥宮の北西に位置することから、現在の日本へと繋がる歴史が分かるというのが特徴です。
ちなみに、水落遺跡の周辺では、中大兄皇子が、打毬(だきゅう)という馬を使った球技を行っている時に、後にクーデターを共に行う中臣鎌足と初めて出会った場所というエピソードもあり、日本史にとっては重要なエリアでもありますね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。