登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4) |
登録年 | 1984年(2005年拡大) |
カサ・バトリョは「アントニ・ガウディの作品群」の構成資産の一つ。壁にカラフルな粉砕タイルが施された住宅で、ガウディによって曲線的なデザインへと改築されたもの。ところで、カサ・バトリョはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではカサ・バトリョがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カサ・バトリョについて詳しくなること間違いなし!
カサ・バトリョとは?

バルセロナのメインストリートであるグラシア通りにある住宅で、2005年に追加で登録。ここはもともと1877年に建造された建物で、繊維業者であったジュゼップ・バッリョ・イ・カザノバスがガウディに改築の依頼したもの。改築は1904〜1906年に行われると、5階部分と地下室を加えられ、その際にタイルやステンドグラスなども追加されると、曲線的なデザインへと変更されました。
塔は槍、屋根はまるでドラゴンの背中に見えることから、カタルーニャの守護聖人であるサン・ジョルディ(聖ゲオルギオス)が竜退治をしたという伝説をモチーフにしているという解釈がされています。壁はさまざまな色の粉砕タイルのモザイクが装飾されていることから、カーニバルをイメージしているとも。
カサ・バトリョはどんな理由で世界遺産に登録されているの?



カサ・バトリョが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ガウディの作品は、19世紀後半〜20世紀初期にかけて世界の建築の発展に貢献したということ。
登録基準(ii)
バルセロナに残るガウディの建築物は、「モデルニスモ」の代表的なもので、やがて20世紀の近代建築の発展に大きな影響を与えたということ。
登録基準(iv)
ガウディの優れた作品は20世紀初頭の住宅と共同施設の発展にも貢献しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
カサ・ミラはガウディの後期の作品であり、曲線を多用した建築物でさまざまな解釈がされていますが、20世紀の近代的な住宅の発展に大きな影響を与えているという点で評価されています。
ちなみに、カタルーニャ地方で毎年4月23日は、「サン・ジョルディの日」という祝日であり、この日は聖ゲオルギオスが亡くなった日であるとされ、男性が女性にバラを贈るという習慣がありました。一方、『ドン・キホーテ』の作者であるセルバンデスの命日であることから、本をプレゼントし合うという習慣もあります。とはいえ、本に関しては20世紀初頭に始まった習慣で、この裏には出版社の戦略があったとか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。