登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 1995年 |
卵城は「ナポリ歴史地区」の構成資産の一つ。サンタルチア港に築かれた要塞のような外見の城で、ナポリのシンボル的な存在でもあります。ところで、卵城はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここでは卵城がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、卵城について詳しくなること間違いなし!
卵城とは?
ナポリはイタリア南部のカンパニア州の州都。卵城はノルマン人によって12世紀にサンタルチア港の小島に建設された要塞であり、現在は埋め立てられて陸続きとなっています。ここは紀元前1世紀にローマの貴族によって別荘が建造されると、5世紀以降は修道院となったものの、9世紀には破壊。現在の建造物は再建されたものです。
「卵城」という名前の由来は外観ではなく、ローマ時代の詩人が卵を城に埋め込み、卵が割れる時にナポリに危機が来るだろうと呪文をかけたという伝承から。12世紀以降は王の居城は移転したため、ここは牢獄として利用され、荒廃するものの、19世紀になると周囲は漁港として整備されていき、現在はレストランなどが周囲に並ぶ観光地となっています。
卵城はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
卵城が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
ナポリの文化は、古代からヨーロッパ各都市に影響を与えていて、16〜18世紀まではヨーロッパでも栄えた都市の一つで、芸術や建築などで大いに影響を与えたということ。
登録基準(iv)
中世から18世紀にかけて、ナポリは芸術と建築の中心地であり、それらは王宮や宮殿、教会などにも見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
卵城は、中世から近代まで芸術と建築の中心であったナポリに築かれただけあって、その原点ともいうべき城であるという点で評価されています。
ちなみに、卵が割れるとナポリが滅ぶという伝承は割と古くからあるらしく、14世紀に城のアーチが崩壊した時には民衆がパニックにならないように女王自ら「卵の無事」を宣言しなくてはいけなかったほど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。