ネパールの世界遺産「ダルバール広場」とは?世界遺産マニアが解説

  • URLをコピーしました!
登録区分文化遺産
登録基準(3),(4),(6)
登録年1979年

ダルバール広場は「カトマンズの渓谷」の構成資産の一つ。これは王宮や寺院などが並ぶ広場の名称で、実はカトマンズ渓谷には3つのダルバール広場があります。ところで、ダルバール広場はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではダルバール広場がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ダルバール広場について詳しくなること間違いなし!

目次

ダルバール広場とは?

バクタプルのダルバール広場
画像素材:shutterstock

ネパールの首都があるのはカトマンズ市ではありますが、広域の「カトマンズ」となると、首都のカトマンズ市、ラリトプル市(パタン)、バクタプル市の3つの行政区を含めて呼ばれます。13世紀に成立したマッラ朝がバクタプルを中心にカトマンズの盆地を支配すると、15世紀にカトマンズ・マッラ朝が独立。さらに17世紀にカトマンズ・マッラ朝からパタン・マッラ朝が独立したため、カトマンズ周辺だけで3つの王国があるという状態に。

よって、今でもカトマンズ渓谷には「ダルバール広場」という美しい建造物が並ぶ広場が3つ存在するようになったのです。

カトマンズのダルバール広場

クマリの館/カトマンズのダルバール広場
画像素材:shutterstock

首都であるカトマンズ市の中心部に位置する広場で、ここには旧王宮や20棟以上のヒンドゥー教寺院、貴族の館など、職人が築いたネワール建築が集まるエリア。2015年にはM7.8の大地震が発生して被害を受けたため、現在も修復が進んでいます。

広場の周囲で有名なのは、女神クマリの化身である少女が住む「クマリの館」。クマリを見ると幸せが訪れるということで知られ、2階の窓からたまにクマリが顔を出すとことも。

パタンのダルバール広場

パタンのダルバール広場
画像素材:shutterstock

ラリトプル市の中心部にある広場で、こちらもダルバール広場と呼ばれています。ここもマッラ王朝時代の王宮に面していて、ネワール建築のヒンドゥー教寺院も広場沿いに点在。

最も有名なのは17世紀建造の「クリシュナ寺院」で、21の尖塔を持つ見事な建築で知られます。18世紀に建造された「タレジュの鐘」は、時を告げるための鐘ではなく、王に不平を訴える時に利用されたもの。

バクタプルのダルバール広場

バクタプルのダルバール広場
画像素材:shutterstock

バクタプルは、カトマンズから東へ約13kmに位置する町。カトマンズ盆地の中でも最も早くに栄えた都市だったのですが、カトマンズ・マッラ朝が独立すると、中心は西のカトマンズ市へと移っていきます。1934年の大地震によって被害を受けたため、広場の面積としては3つの都市の中でも規模が広いのが特徴。

ダルバール広場には、17世紀後半〜18世紀前半にブーパティーンドラ・マッラ王(1696〜1722年)によって築かれた「55の窓」と呼ばれる広大な宮殿が面しています。カトマンドゥ盆地内で最も高い寺院とされる「ニャタポラ寺院」も有名。

ダルバール広場はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

カトマンズのダルバール広場

ダルバール広場が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
カトマンズの渓谷に残る歴史建造物は、ネワール族の文化が反映され、ヒンドゥー教と仏教、土着の宗教などが融合し、独特な文化が作られているということ。

登録基準(iv)
カトマンズには、16〜18世紀のマッラ時代に築かれた美しい宮殿や寺院、仏塔などが残り、これらはこの地方独特の建築様式であるという点。

登録基準(vi)
カトマンズでは、ヒンドゥー教、仏教、土着の宗教などが融合して、それらが建築物や芸術、儀式、祭りなどに見られるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

カトマンズ、パタン、バクタプルのダルバール広場は、ネワール族によって造られ、マッラ朝時代の美しい寺院や宮殿が並び、この地の宗教が融合し、独特の文化を築いているという点で評価されています。

ちなみに、バクタプルの名産品は「ズーズーダウ(王様のヨーグルト)」。普通のヨーグルトと違って、素焼きの平皿で入れられたもの。水分が素焼きに吸収されるので、固めで濃厚な食感が楽しめるため、まさにヨーグルトの王様と呼べるでしょう。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

目次