登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1),(2),(4),(6) |
登録年 | 1990年 |
エルミタージュ美術館(冬宮殿)は「サンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群」の構成資産の一つ。かつてはロシア皇帝が暮らす冬宮殿であった場所で、現在は王族や貴族が集めたコレクションを展示する美術館として公開されています。ところで、エルミタージュ美術館はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではエルミタージュ美術館がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、エルミタージュ美術館について詳しくなること間違いなし!
エルミタージュ美術館(冬宮殿)とは?
サンクトペテルブルクの中央広場でもある宮殿広場の北西に位置する美術館。ここは皇帝の冬の王宮として1754~1762年の間に建設されため「冬宮殿」と呼ばれます。ここを初めて利用したのが、女帝であったエカチェリーナ2世(1729〜1796年)。
もともとは、エカチェリーナ2世美術品を多く買い取ったことがコレクションとしての始まりで、1775年に彼女はわざわざ美術品の展示室を作ったほど。エルミタージュとは「世捨て人の部屋」というような意味もあり、展示室は「小エルミタージュ」、1787年に増築された部分は「旧エルミタージュ」と呼ばれるようになりました。
1863年に市民に開放されると、1864年に新たな施設も増築され、そこは「新エルミタージュ」と呼ばれます。そして、1917年のロシア革命以降は貴族から没収したコレクションが集まるようになり、1918年に冬宮殿すべてがエルミタージュ美術館として統合され、ここは本館として利用されるようになりました。
現在の外観は緑色ですが、これは1947年に塗られたもので、建設時は薄い黄色でした。
エルミタージュ美術館(冬宮殿)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
エルミタージュ美術館が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
湿地帯から開拓して作られたこの都市は、都市デザインとしてユニークで美しい景観を持つ都市であるということ。
登録基準(ii)
歴代ロシア皇帝によって整備されたサンクトペテロブルクは、多数の建築物が作られ、ロシアやフィンランドなどの建築様式と芸術に大きな影響を及ぼしてきたという点。
登録基準(iv)
市内に残る多くの建造物は、バロック様式と新古典主義様式などの優れた建造物であるという点。
登録基準(vi)
サンクトペテルブルクは、1703〜1725年にかけて町の建設、そして、1917年にここでロシア革命が発生し、ロシアの歴史と密接的に関わっているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
エルミタージュ美術館として利用されている冬宮殿は、ロシアの歴史を密接に関わっていて、やがてバロック様式やロココ様式の要素が加えられていき、各地の建築様式に影響を与えていったという点で評価されています。
ちなみに、エルミタージュ美術館では18世紀から絵画をネズミから守るために猫を飼っていたのですが、今でも地下に暮らしています。あまりにも数が多すぎるので、猫のためのキッチンや病院があるほど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。