中国の世界遺産候補「景山公園」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分(暫定リストに記載)文化遺産
登録基準(暫定リストに記載)(1), (3), (4), (6)
申請年(暫定リストに記載)2013年

景山公園(けいざんこうえん)は「北京の中心軸:中国の首都の理想的秩序を示す建築物群」の構成遺産の一つ。ここは北京の中心軸の最北の地であり、王宮であった紫禁城に殺気が入らないように風水の思想によって形成されたもの。ところで、景山公園はなぜ世界遺産候補なのでしょうか?

ここでは景山公園がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、景山公園について詳しくなること間違なし!

目次

景山公園とは?

画像素材:shutterstock

かつての北京の中心部であり、王宮であった紫禁城のの裏側に広がる人工の山。もともとは元(1271〜1368年)の時代の宮殿の跡地に、堀を建造した際に余った土を使用して建設。これは「背山面水」という風水の思想によって築かれ、中心軸の最も北に配置されました。もともとは皇帝のための庭園であったものの、1928年には公園として一般公開。

人工の山は5つ築かれ、それぞれの山頂には建造物が置かれています。その中でも最大の建造物が「万春亭」と呼ばれる堂であり、ここは紫禁城が一望できるビュースポット。

景山公園はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?

画像素材:shutterstock

景山公園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
北京の中心軸は、8世紀に渡って発展し、宮殿や庭園、公共施設、広場など、歴史的な遺構を中心とした統一空間が広がっていて、北京の中核として古代から現代まで続く都市計画の傑作でもあります。ここは中国の科学や美術、古代哲学を持ってどのように設計し、これを通じて社会をどのように形成されたのかを明らかにしているという点。

登録基準(iii)
北京の中心軸とその周辺地域は、宮殿や官庁、寺院、祭壇、邸宅、城門など、壮麗な建築物が並び、中国の祭祀、文化、習慣、風水などの多様性が見られ、社会だけでなく、文化としての価値が今でも生き続けているということ。

登録基準(iv)
中国の都市計画は、「天地の観察」、「儀式」、「自然景観を合わせた設計」という3つの概念があります。北京は北極星の真下に築かれ、まさに「天地の観察」を反映し、宮殿や市場、西側に祖先の祠、東側に祭壇などの都市計画は伝統的な「儀式」の影響が示していて、中心軸には自然環境との調和が見られ、合理性が反映されたもの。これらは伝統的な中国の哲学が見られ、1000年に渡る中国の首都計画の発展がよく保存された例であり、明と清の時代の首都の設計と建築物の頂点であり、東洋における都市計画の傑出した例であるという点。

登録基準(vi)
モンゴル人の元王朝によって築かれ、中国全土を支配すると、当時の大都(北京)はまさに天地の中心でもあるとされていました。北京の中心軸は首都の軸というだけでなく、国全体の中心であり、この地を中心に各地方を結んでいました。ここは国と都市の中心軸であり、自然や儀礼まで統合され、宋以降の朱子学の理想的な都市計画を組み合わせた最高のモデルであります。中国の哲学の真髄であり、都市計画と自然環境の伝統が見られるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

景山公園は、ここは北京の中心軸の北端に位置していて、風水の思想を取り入れられていることから、中国古来の都市計画や文化の伝統を残しているという点で評価されています。

ちなみに、現在は美しい公園ではありますが…明の最後の皇帝・崇禎帝(すうていてい)は、反乱軍に攻め込まれ、ここでクビを吊って自害したことから碑文なども置かれていて、ちょっと恐ろしいスポットでもあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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