登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (6) |
登録年 | 2011年 |
金鶏山は「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の構成資産の一つ。金鶏山は平泉の中心であり、ここは各寺院の庭園を設計する際の目印でもありました。ところで、金鶏山はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!
ここでは金鶏山がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、金鶏山について詳しくなること間違いなし!
金鶏山とは?
北の中尊寺と南の毛越寺の間に位置する金鶏山は標高98.6mの小さな山ではあるものの、平泉にとっては重要な役割を担っていました。平泉に建造された寺院は常に、この金鶏山との位置関係が重視されたのです。各寺院で建造された庭園には、仏国土(浄土)を空間に表すデザインで設計されたため、金鶏山を景観に必ず入るようにしていました。
ちなみに、金鶏山の登山口の入口には、千手堂という小さなお堂があり、ここに源義経の妻子のものと伝えられる墓があります。義経の妻といっても有名な静御前ではなく、こちらは正妻の郷御前(さとごぜん)。
金鶏山はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
金鶏山が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
中国や朝鮮半島から伝来した仏教が、12世紀に浄土思想として、日本古来の自然崇拝と融合し、平泉で花開いたという点。
登録基準(vi)
平泉には浄土(仏国土)を空間的に演出した建築物や庭園の理念が存在したという点。
世界遺産マニアの結論と感想
金鶏山は小高い山ではありますが、各寺院で建造された庭園は浄土を表現するために、その景観に含まれるように目印にしていたとして評価されています。
ちなみに、金鶏山は江戸時代に「金の鶏」が埋められていると信じられていたため、その名が付けられました。1930年に頂上で盗掘に遭ったのですが、その時に出土したのが陶器の壺や銅製の経筒(きょうずつ、経典を納めるための容器)。むしろ、お宝ではなく、貴重な資料ではあったため歴史学的には役に立ったのですが…なんともいえない結果に。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。