登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (4), (6) |
登録年 | 2015年 |
ケルスス(セルシウス)図書館は「エフェソス(エフェス)」の構成資産の一つ。ここはかつてローマでも3番目の規模を誇る広大な図書館で、入口の豪華なファサードはエフェソスのシンボルでもあります。ところで、ケルスス図書館はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではケルスス図書館がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ケルスス図書館について詳しくなること間違いなし!
ケルスス(セルシウス)図書館とは?
トルコの西部に位置するセルチュクから南西約3kmの距離にあるエフェソス遺跡で、紀元前10世紀にギリシャ人入植者によって建造され、紀元前129年には共和政ローマのアジア属州の首府となり、大いに繁栄しました。
ケルスス図書館は、2世紀に建造された図書館で、ローマの執政官であったティベリウス・ジュリアス・セルシウス・ポレマエアヌスの霊廟を兼ねた建造物でもありました。ここはアレクサンドリアとペルガモンに次ぐローマで3番目に大きな図書館として有名。館内には約1万2千冊の書物が保管されていたとされています。
入口にある2階建ての壮麗なファサードはエフェソスのシンボルでもありますが、度重なる地震で10〜11世紀には崩壊し、現在見られるものは20世紀に修復されたもの。
ケルスス(セルシウス)図書館はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ケルスス図書館が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
エフェソスには、ヘレニズム時代、ローマ帝国時代、初期キリスト教時代の各時代の建造物が残っているということ。
登録基準(iv)
エフェソスは、ギリシャ時代から中世まで港の位置が変わったように、地形の変化によって居住地の風景が変わるという例であるという点。
登録基準(vi)
エフェソスでは、2回もの公会議が行われるなど、キリスト教世界における重要な事項が決まった土地。ここは、アルテミス信仰から現代のキリスト教まで、アナトリア半島における宗教の足跡が残る遺跡であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ケルスス図書館は、ローマ帝国のアジア属州の首府だけあって、広大な図書館があるほどに繁栄したという点で評価されています。
ちなみに、図書館の近くには、2階建ての娼館と思われる建造物もあり、図書館からは地下通路もあったとか。実際に建造物の看板には、足の形の左上に点の多いハートマークもあり、これは年齢制限だったり、女性がたくさんいるということを示すものだったりと、諸説あるそう。しかし、図書館の隣にあるということは、お客さんは…人間という生き物の不思議ですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。