登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (3), (6) |
登録年 | 1979年 |
メンカウラー王のピラミッドは「メンフィスとその墓地遺跡-ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」の構成資産の一つ。ギザの三大ピラミッドの一つで、第4王朝のメンカウラー王によって築かれたとされるもの。ところで、メンカウラー王のピラミッドはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではメンカウラー王のピラミッドがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、メンカウラー王のピラミッドについて詳しくなること間違いなし!
メンカウラー王のピラミッドとは?
首都カイロ市の南西部にあるギザの台地には、第4王朝(紀元前2613年頃〜紀元前2498年頃)のファラオであるクフ王、カフラー王、メンカウラー王の三大ピラミッドがあり、メンカウラー王ピラミッドは南西に位置します。現在の高さは62mと、他のピラミッドと比べると半分ほどの高さで、これは古代ギリシャ世界では祖父であるクフと父であるメンカウラーは暴君であり、彼自身は善政を行ったため、ピラミッドも小規模にしたという伝承ではありますが、その理由は諸説あり、ハッキリとしたことは分かっていません。
ピラミッドは、紀元前2510年ころに築かれたとされますが、12世紀にアイユーブ朝のスルタンによって破壊が命令され、切石が徐々に覗かれると、やがて北面に大きな垂直の裂け目ができるも破壊はできませんでした。1837年にハワード・ヴァイスというイギリスの軍人が玄武岩の棺を発見し、中には遺体の一部が入っていたとされ、本国へ輸送するも地中海に沈んでしまい、その遺体が一体どういう人物であったかは不明です。
メンカウラー王のピラミッドはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
メンカウラー王のピラミッドが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
サッカーラの史上初のピラミッドや4000年以上の歴史を誇るギザの大ピラミッドなど、人類史に残るピラミッドが集まっているという点。
登録基準(iii)
ピラミッドはエジプト文明の形成にさかのぼるシンボルであり、この地に存在した王朝の権力と組織の象徴であったということ。
登録基準(vi)
メンフィスは、プタハ信仰の中心地というだけでなく、芸術などが盛んな美しい都であったということが分かるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
メンカウラー王のピラミッドは、4000年以上の歴史を誇り、他の2つのピラミッドに比べてサイズは劣るものの、当時の王朝の権威を示すという点で評価されています。
ちなみに、調査によると、メンカウラーのピラミッドの建設当初はたったの30mの高さでしかなく、途中で建設計画が変更され、今のサイズになったとされています。ということで、メンカウラーの代は財政が豊かでなかったものの、在位中に少し盛り返したのでは?と考える研究者もいます。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。