和歌山県の世界遺産「那智原始林」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (3), (4), (6)
登録年2004年

那智原始林は「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成遺産の一つ。那智大滝の近くに広がる原始林で、貴重な混交林が広がります。ところで、那智原始林はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここでは那智原始林がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、那智原始林について詳しくなること間違いなし!

目次

那智原始林とは?

那智原始林
画像素材:shutterstock

和歌山県東牟婁郡那智勝浦にある熊野那智神社。境内の北側には那智大滝(一の滝)があり、その東に広がる、面積約335平方mの原始林が世界遺産に登録。ここは国の天然記念物に指定されていて、広葉樹や針葉樹が入り組んだ本州でも屈指の混交林として知られています。生息する植物は300種以上とされ、希少種も見られるのが特徴。

那智原始林はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

那智原始林
画像素材:写真AC

那智原始林が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
紀伊山地に残る霊場と参詣道は、神道と仏教が融合が見られ、東アジアにおける宗教文化の交流と発展を示すということ。

登録基準(iii)
紀伊山地に点在する神社や寺院は、この地の慣習を含めて、1000年以上に渡る日本独自の宗教の発展を示すものであるという点。

登録基準(iv)
紀伊山地は、日本各地の寺社の建築様式に大きな影響を与え、それらの形成のルーツともなっているという点。

登録基準(vi)
紀伊山地の霊場と森林には、1200年に渡って神の宿る地として信仰が維持され、それらが景観に見られるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

那智原始林は、1200年に渡る信仰によって維持されていて、希少種が見られる貴重な森が広がっているという点で評価されています。

ちなみに、生物学者である南方熊楠(みなみかたくまぐす、1867〜1941年)がここで標本の採集を行っていたことでも有名。そのころは粘菌の調査に没頭されていたとされていて、彼の代表的な研究ジャンルではあるものの、実は和歌山県の田辺に移り住んだことから熱心に研究を始めたらしく、博物学者とされるほどにさまざまな分野に興味があった様子。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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