登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4) |
登録年 | 1991年 |
オルセー美術館は「パリのセーヌ河岸」の構成資産の一つ。ここはセーヌ川沿いにある鉄道駅を改装した広大な美術館となっていて、フランスにおける印象派の作品が多く並びます。ところで、オルセー美術館はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではオルセー美術館がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、オルセー美術館について詳しくなること間違いなし!
オルセー美術館とは?
パリ7区にある広大な美術館。セーヌ川左岸に1900年に建造されたオルセー駅の鉄道駅兼ホテルを改装したもので、ここはオルレアンやフランス南西部行き列車のターミナル駅でもありました。トレイン・シェッド(鉄道駅を覆う大きな屋根)を持ち、地下には10線以上のプラットホームがありました。しかし、狭くて不便でもあったために、1939年になると近距離車両用のターミナル駅へと変更。
1970年代になると政府によって活用の方法を検討され、美術館に決定すると、イタリアのデザイナー、ガエ・アウレンティ(1927〜2012年)によって設計されたもの。1986年に「オルセー美術館」として開館しました。ここは1848年の2月革命から、第一次世界大戦が始まった1914年までの作品を展示することになり、モネやマネ、ルノワール、ゴーギャンなどの印象派の作品が多く展示されています。
オルセー美術館はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
オルセー美術館が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
セーヌ川沿いには、中世から20世紀にかけて建造された建築物の傑作が並ぶという点。
登録基準(ii)
ノートルダム大聖堂など優れたゴシック建築は、ヨーロッパの都市開発に影響を与え、ジョルジュ・オスマンによる都市計画は、ラテンアメリカの都市設計にも影響を与えたということ。
登録基準(iv)
パリのセーヌ川の風景や建築物は、絵画や芸術、建築などで8世紀以上に渡ってモチーフとなったという点。
世界遺産マニアの結論と感想
オルセー美術館は、もともとは鉄道駅であった建築物を美術館として改築した建造物で、優れた都市計画が見られるという点で評価されています。
ちなみに、これぐらいオルセー美術館はフランス人画家の作品が圧倒的に多いですが、その中でも日本人画家の作品は一つだけあります。それは明治に活躍した日本人洋画家の川村清雄氏の作品。これは『建国』と呼ばれる作品であり、天の岩戸の伝説をモチーフにしていることから、あえて外国にない純日本的なものを追求した一方、フランス留学経験もあり、フランス人にも理解できるように計算したとも推測されています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。