中国の世界遺産「聖ポール天主堂跡」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2),(3),(4),(5)
登録年2005年

聖ポール天主堂跡は「マカオ歴史地区」の構成資産の一つ。ここは17世紀に建造されたアジア最大のカトリック教会でしたが、現在はファサードと地下納骨堂だけ残る遺跡となっています。ところで、聖ポール天主堂跡はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここでは聖ポール天主堂跡がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、聖ポール天主堂跡について詳しくなること間違いなし!

目次

聖ポール天主堂跡とは?

画像素材:shutterstock

マカオ旧市街でも小高い丘の上に位置するのが天主堂跡です。ここは16世紀にイエズス会によって建造されたもので、アジアで最大のカトリック教会であった場所。イエズス会のアジアの拠点でありましたが、やがて香港が勢力を伸ばすと、1835年に火事によって全焼してしまい、遺跡となってしまいました。

現在唯一残る石造りのファサードは、天主堂のシンボル的存在です。ファサードに刻まれた彫刻は、イエス・キリストやイエズス会の設立者たちがある一方、ヒドラを踏みつける女性をモデルにしたものまであり、東洋的なデザインも見られるのも特徴。マカオ文化局は1990〜1995年にかけて遺跡を発掘し、地下納骨堂が発見され、現在は鉄骨やコンクリートで補強されることで、屋外展示室のようになっています。

聖ポール天主堂跡はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

聖ポール天主堂跡が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
マカオは、数世紀にわたって文化、科学、技術、芸術、建築のさまざまな分野において交流が見られるという点。

登録基準(iii)
マカオは、ヨーロッパと中国の間で16世紀から20世紀まで、商人や宣教師によって文化の交流地であり、その影響はさまざまな文化の融合に見られる旧市街などに見られるということ。

登録基準(iv)
マカオは、約4世紀半にわたり築かれた西洋と中国の文明が合わさった建築物が多く点在するということ。

登録基準(vi)
マカオは、西洋文明と中国文明の間の文化、科学、技術などの交流が行われてきました。これらがその後の中国に多大な影響を与えたという点。

世界遺産マニアの結論と感想

マカオは東西文化の交流地であり、建築物にもそれらが反映されていますが、特に聖ポール天主堂跡はヨーロッパからキリスト教を布教の拠点となっていたことから、遺跡であるものの、マカオのシンボル存在であるという点で評価されています。

ちなみに、江戸時代にキリスト教が禁教にされると、一部の日本人キリシタンがマカオを訪れ、天主堂の彫刻造りにも参加したとされています。そして、有名な天正遣欧少年使節に参加した「原マルティノ」はこの地で亡くなったため、天主堂の地下納骨堂に埋葬されていました。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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