京都府の世界遺産「西芳寺(苔寺)」とは?庭園を含めて世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2),(4)
登録年1994年

西芳寺(苔寺)は「古都京都の文化財」の構成遺産の一つ。庭園は夢窓疎石によって「枯山水庭園」が確立された寺院として、庭園史においては大変貴重なもの。ところで、西芳寺はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!

ここでは西芳寺がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、西芳寺について詳しくなること間違いなし!

目次

西芳寺(苔寺)とは?枯山水庭園のルーツ?

西芳寺(苔寺)
画像素材:shutterstock

西京区にある西芳寺(さいほうじ)は、聖徳太子の別荘であった建築物を飛鳥〜奈良時代の僧・行基(ぎょうき)が8世紀に改築して寺院としたというのが始まりとされていますが、鎌倉時代には荒廃してしまいます。1339年に作庭の名手であった夢窓疎石(むそうそせき)が招かれると、ここは臨済宗の禅宗寺院となり、寺号を「西方寺」から「西芳寺」へと変更しました。幕末になると、岩倉具視が一時的に隠れ住んでいたこともありましたが、明治初期になると庭園は一般に公開。

2つの庭園

国指定の史跡・特別名勝に登録されています。「上段の庭」は夢窓疎石が手掛けた「枯山水庭園(水を使わず、主に石や砂で表現した山水風景)」となっていて、ここは日本最古の枯山水の庭園であり、日本の庭園史においては非常に重要なもの。しかし、もともとは枯山水の庭園であったものの、江戸時代中期になると洪水によって荒廃したため、庭園は苔で覆われてしまい、現在は「苔寺」と呼ばれるようになりました。

西芳寺(苔寺)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

西芳寺(苔寺)
画像素材:shutterstock

西芳寺が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
京都は8〜17世紀にかけて、宗教と世俗的な建築様式や庭園設計が発展した場所であり、日本伝統文化の形成に貢献してきました。そして、庭園設計は19世紀以降、世界中に大きな影響を与えたという点。

登録基準(iv)
京都の文化財に見られる建築と庭園設計は、日本の前近代の文化における最高の表現であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

西芳寺は、今では日本庭園の基本スタイルである枯山水庭園を確立した夢窓疎石が設計しただけあって、日本最古の枯山水庭園として庭園史において重要であるという点で評価されています。

ちなみに、西芳寺はアップルの創始者の一人であるスティーブ・ジョブズがお忍びでよく訪れていたとか。しかし、自伝によると…どちらかというと、彼というよりも娘のエリンが特に気に入っていた様子。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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