オーストリアの世界遺産「ゼメリング鉄道」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (4)
登録年1998年

ゼメリング鉄道は首都ウィーンの南西部にあるゼメリング峠を通る現役の鉄道路線。1848〜1854年に41.8kmもの山々の間を通るように建設され、トンネルや高架橋などの当時最先端の土木工学を駆使して開通したもの。鉄道が開通したことにより、周囲はリゾート開発が進められたという功績もあり、鉄道を含めた景観が評価されています。

ここでは、ゼメリング鉄道がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ゼメリング鉄道について詳しくなること間違なし!

目次

ゼメリング鉄道とは?

画像素材:shutterstock

ゼメリング鉄道は、ウィーンから南西へ100kmほどの距離にあるグロッグニッツ駅からゼメリング峠を経由し、スキーリゾートの基点であるミュルツツーシュラーク駅に至るまでの鉄道路線。路線名の由来となったゼメリング峠は標高995mもあり、難所でもありました。

当時の技術では、鉄道路線で峠越えするのは難しいとされてましたが、アルバニア人鉄道技師のカール・リッター・フォン・ゲーガが考案した、トンネルや鉄道橋を建設し、山腹をS字カーブなどで進むというプランによって、たったの6年で開通。

画像素材:shutterstock

路線は合計でレンガで作られた14のトンネルと16の高架橋で構成され、さらに無数の橋も設置されました。特に有名なのが、標高898mにある「ゼメリング・トンネル」で長さは1431m。さらにカンテ・リンネ橋は高さが46mもありました。

この鉄道路線の開通によって、ゼメリング峠は富裕層のリゾート地となりました。今でも人々が訪れる高原リゾートとして、ホテルやペンションが多く並んでいて、夏はハイキング、冬はスキーと気軽にリゾートステイが楽しめるスポットに。

ゼメリング鉄道はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

ゼメリング鉄道が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
ゼメリング鉄道は鉄道史において、峠越えに対して高架橋やトンネルなど技術的な解決をするという初期の山岳鉄道でもあったという点。

登録基準(iv)
ゼメリング鉄道の開通によって、今まで峠道を通る必要があった場所でも簡単にアクセスできるようになり、周囲はリゾート地として新しい景観に変わったという点。

世界遺産マニアの結論と感想

今では高原や山間地帯に鉄道が通るというのは割と普通ですが、ゼメリング鉄道は19世紀後半からアルプスの山岳鉄道として活躍していたということがスゴイんですね。そして、鉄道を開発することによって、沿線の景観は大いに変わり、ホテルや娯楽施設などが作られました。ゼメリング鉄道は、周辺の景観を含めて世界遺産となっています。

ちなみに、現在はゼメリング鉄道の地下に、「ゼメリングベーストンネル」という大きな鉄道トンネルを作る予定で、ウィーンとクラーゲンフルトという大都市間の移動が大幅に短縮されるそう。170年前は山を越えるのでも精一杯だったのに、もはや山を通る必要すらもなくなったということで、人類の進化は果てしないですね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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