大阪府の世界遺産「津堂城山古墳（藤井寺陵墓参考地）」とは？世界遺産マニアが解説

津堂城山古墳（つどうしろやまこふん）は「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群-」の構成資産の一つ。ここは大きな古墳ではないものの、石棺や埴輪などが発掘されたために貴重な資料でもあります。ところで、津堂城山古墳はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは津堂城山古墳がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、津堂城山古墳について詳しくなること間違いなし！

津堂城山古墳（藤井寺陵墓参考地）とは？

津堂城山古墳は大阪府藤井寺市にある古市古墳群の一つ。古市エリアでも北東部に位置する前方後円墳で、墳丘長208m、高さ16.9mとそれほど大きな古墳ではありませんが、1912年に竪穴式石室と長持形石棺、副葬品が発掘されました。1980年には水鳥型の珍しい埴輪も発掘。

発掘調査から古墳の建造は4世紀後半に遡るとされ、古市古墳群の中でも初期のもの。しかし、室町時代は城の土台に使用されたため、一部は掘削されてしまっています。宮内庁としては、5世紀前半に実在されたとされる第19代允恭（いんぎょう）天皇の陵墓の候補地として考えられていますが、あくまでも陵墓参考地であるため、来場者は登ることができます。

津堂城山古墳（藤井寺陵墓参考地）はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

津堂城山古墳が評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
百舌鳥・古市古墳群は、日本全国にある16万もの古墳の中でも、古墳時代を代表するもので、この時代の社会構造や階級、高度な葬送文化を示すものであるという点。

登録基準（iv）
百舌鳥・古市古墳群は、古代の東アジアにおいても優れた陵墓で、埴輪や葺石（ふきいし）で覆われた墳丘は階層社会の確立を示しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

津堂城山古墳は、4世紀建造となっていて、允恭天皇陵とされるものの、古市古墳群の中でも初期の古墳。ここは副葬品や埴輪などが発掘され、古墳が築かれた時代の日本の社会や葬送の文化がよく分かるという点で評価されています。

ちなみに、允恭天皇の陵墓は、宮内庁より近くにある世界遺産・市ノ山古墳（いちのやまこふん）とされています。ここは出土した埴輪から5世紀後半と特定されているので、こちらのほうが現実的かも？とはいえ、石棺などは発掘できないので被葬者は不明ではありますが。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。