登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (6) |
登録年 | 2016年 |
マルセイユのユニテ・ダビタシオンは「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の構成資産の一つ。ここは代建築の三大巨匠の一人、ル・コルビュジエの代表的なプレハブを活用した集合住宅でもあります。ところで、ユニテ・ダビタシオンはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではユニテ・ダビタシオンがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ユニテ・ダビタシオンについて詳しくなること間違いなし!
マルセイユのユニテ・ダビタシオンとは?

フランス南部の港湾都市のマルセイユに1945年に建造された集合住宅。「ユニテ・ダビタシオン」とは、彼の都市計画案を実現したものの一つで、集合住宅を垂直に建造するというスタイル。鉄筋コンクリートの骨組みにプレハブを組み込むというプラモデルのような規格を採用しています。ここは1階はピロティとなっていて、屋上には庭園が置かれているという構造。
ユニテ・ダビタシオンは、フランス各地やドのベルリンに建造されましたが、最も有名なのはマルセイユのもの。ここは8階建て、337戸、合計で1600人もの暮らすことができる大型の集合住宅です。部屋はメゾネットタイプで1人暮らしからファミリー向けまでさまざまなタイプが並ぶのが特徴。中間階である7・8階には店舗や郵便局、屋上には保育園やプール、体育館など、共用施設が置かれていて、暮らしやすい環境でもあります。
マルセイユのユニテ・ダビタシオンはどんな理由で世界遺産に登録されているの?



ユニテ・ダビタシオンが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ル・コルビュジエの建築作品は、人類の想像的才能を示す傑作であり、20世紀の建築や社会における課題を解決するものであったということ。
登録基準(ii)
ル・コルビュジエの建築作品は、近代建築の誕生と発展に深く関係し、半世紀以上に渡って、4つの大陸の建築に前例のない影響を与えていて、世界規模での人間の価値交換を示すものであるという点。
登録基準(vi)
ル・コルビュジエの建築作品は、「近代建築」に直接関連していて、20世紀にその理念と作品が重要性を持ち、これらは建築や絵画、彫刻などと融合を示し、半世紀に渡って世界で広まった「新しい建築様式」を表したものであったということ。
世界遺産マニアの結論と感想
マルセイユのユニテ・ダビタシオンはル・コルビュジエが確立したプレハブを採用した住宅であり、ピロティや屋上庭園などの近代建築の五原則なども見られ、世界中の集合住宅の設計に大きな影響を与えているという点で評価されています。
ちなみに、もともとここは空室だった住居をホテルとして活用していたのですが、現在は「ホテル・ル・コルビュジエ」として営業していて、まさに世界遺産に登録されている部屋に宿泊することができます。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。