メキシコの世界遺産「ソチミルコ」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (3), (4), (5)
登録年1987年

ソチミルコは「メキシコシティ歴史地区とソチミルコ」の構成資産の一つ。運河に小舟が行き交うエリアで、アステカ時代以来の伝統的な暮らしが見られるというのが特徴。ところで、ソチミルコはなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではソチミルコがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ソチミルコについて詳しくなること間違いなし!

目次

ソチミルコとは?

ソチミルコ
画像素材:shutterstock

首都メキシコシティから南へ約30km。ここには水郷地帯で、古くから農地として活躍していました。ソチミルコはナワトル語で「花の野の土地」という意味で、10〜14世紀ころにショチミルカ(ソチミルコ)族がこの地で暮らすようになり、トラヒネラという小舟を使ってテノチティトラン(現メキシコ・シティ市)を結ぶ中継地でもありました。

もともとはソチミルコは一つの街ではありましたが、1970年代以降はメキシコシティが郊外まで広がると、現在はメキシコシティと一体化しています。

ソチミルコ
画像素材:shutterstock

ここには「チナンパ」と呼ばれる、湖に生えるアシを敷物のように編んで作った浮島に泥を盛り上げていった人工農地があることで知られ、これはアステカ時代から利用されていたもの。

現在のソチミルコは都市化され、中心部は運河が残る一方、周囲にはスペインが支配する前の伝統的な暮らしが今でも見られます。カラフルなトラヒネラは運河ツアーによく利用されるようになり、現在は観光地としても有名。

ソチミルコはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ソチミルコ
画像素材:shutterstock

ソチミルコが評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
14〜19世紀にかけて、この地はテノチティトランからメキシコシティへと変わり、アステカ帝国の建築技術などが植民地時代の建設物にも影響を与えているという点。

登録基準(iii)
地下に埋没していたテンプル・マヨールは、この地でかつて繁栄したアステカ文明の存在を示すということ。

登録基準(iv)
広場を中心として碁盤の目のように通路が配されるという都市設計は、植民都市を代表するモデルであるという点。

登録基準(v)
ソチミルコの農業風景は、スペインによる征服前のメキシコ高原の暮らしを彷彿とさせるというものであるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

現在のソチミルコは都市化している一方、郊外にはスペインが整復する前の伝統的な農業風景が残っていて、当時の暮らしが見られるという点で評価されています。

ちなみに、運河ツアーで人気なのは「ソチミルコの人形島」というエリアで、島には無数の人形が吊るされているという不気味なスポット。これは溺れた少女を供養するために行われたというものではあるものの、あまりにも不気味なのでホラースポットとして有名になりました。実際に不思議な現象もよく起こるらしく、テレビやブログのネタにされますが、果たして…?

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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