トルコ人はヨーグルト好き民族で、とにかくヨーグルトをどんな料理でもかけて食べる…といっても過言ではない!それはドネル・ケバブであっても同じで、ヨーグルトを付ける食べ方は「イスケンデル・ケバブ」と呼ばれる超人気スタイル。しかし、日本人からすれば…「肉にヨーグルトってどうよ?」と思うかもだが、これが意外にもうますぎるのだ!そんなイスケンデル・ケバブとはどんなグルメなのか?
今回は、トルコの世界遺産・ブルサとジュマルクズック:オスマン帝国発祥の地で味わったグルメ「イスケンデル・ケバブ」を紹介。世界遺産巡りのついでに味わってほしい「世界遺産級の激ウマ・グルメ」を解説していこう。
トルコの世界遺産「ブルサとジュマルクズック:オスマン帝国発祥の地」は大帝国のふるさと
トルコ北西部のブルサは、日本では知名度が低いかもしれないが、実はトルコ第4の人口を誇る都市で、かつて中東や東ヨーロッパ、北アフリカを支配したオスマン帝国の最初の首都だった場所。14世紀に帝国の始祖オスマン1世と、その息子・オルハンなどの霊廟が築かれたこともあり、オスマン帝国を実質引き継いだトルコからすると、今でも大事にされているのだ。
そして、郊外にあるジュマルクズックは、トルコの素朴な田舎の風景が広がっているのだが、これもオスマン帝国初期の農村風景が残っていて、この街はまさに「トルコという国のふるさと」のような場所だ。
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巨匠が作り出したイスケンデル・ケバブは全トルコが絶賛した味わいだ!
ブルサは、トルコでも「ドネル・ケバブ」の本場と信じられていて、この街が誇る定番料理が「イスケンデル・ケバブ」である。かつてこの街に住んでいた職人である「メフメトウル・イスケンデル・エフェンディ」という料理人が1867年(諸説あり)に、ドネル・ケバブをピタパンの上にのせて、トマトソース、溶かしバター、ヨーグルトをかけた料理を出したところ…常連客が大絶賛!よって、イスケンダルさんのケバブだったことから「イスケンダル・ケバブ」となった。
彼のレシピはトルコ中に広まっていき、彼はイスケンデル・ウスタ(親方)となってからは、その弟子たちは「イスケンデルオウル(イスケンデルの息子)」と名乗り、今でも受け継がれている。
それもあってブルサはイスケンデル・ケバブの本場であり、発祥の店である「ケバブチェ・イスケンデル」はいつも大人気!ちなみに、ケバブチェ・イスケンデルのオーナー家族が現在経営している「ヤウズ・イスケンデルオール」も街の北部にある。…どちらが「ルーツ」と呼んでいいかは今となっては不明だが。
とにかく、本場で本場の味を食べてみよう!…うーむ、トマトソースはもちろん、この溶かしバターがまたコクを生み出していて、いつもの「大味なケバブ」のスペックを最大限に引き出しているといえる。切り身は近くにあるウル山で育ったタイムで肉を香り付けしただけあって、ラムとは思えないほどにさっぱりとした味わい…。さて、そろそろヨーグルトソースを付けてみるかな。おおお、意外にも合う!日本のヨーグルトとは違って酸味がより強く出たものだから、トマトとバターの濃厚なケバブの味が整えられていく…
…これは「世界遺産級」の味わいだ!
ブルサはドネル・ケバブのふるさとでもある?
実はイスケンデル・ケバブは、トルコ全土のケバブ屋やレストランなら、割とどこでも出していて、別にブルサでなくても味わえるのだが…やはり、ブルサで食べると肉の品質が良いのか、ライバル店が多いのか、1.5割増しくらいでうまくなる!…それもあって、ブルサの人はこの地がドネル・ケバブ発祥の地と信じている人もいる(ルーツはもう少し早い)。とはいえ、この地から爆発的に広まったのだから、十分「ふるさと」と言えるのではないか?
ちなみに、イスケンデルとは「アレクサンドロス」からルーツの名前で、時折「マケドニアのアレクサンドロス大王も食べたという伝説があるから、イスケンデル・ケバブとなった!」という暴論がありますが…いや、その時代にさすがに「ケバブ」はないろう!!これはさすがに根拠のない説なので、あまり信用しないように…。むしろ、この説の根拠を知りたいところ。
世界遺産のついでに世界遺産級のグルメも同時に楽しんでみてはいかが?
今回のお店の地図は↓です。
※こちらの内容は、あくまでも過去に現地を訪れた際に体験したものであり、最新情報はご自身でご確認ください。