メキシコというと、誰もがタコスを思うかべると思うが、実はメキシコ人はタコスばっか食べていない!…というのも、ひき肉や野菜を挟んで食べるという点では、サンドイッチも実は人気なのだ。え?それって普通のサンドイッチではないか?と思うかもだが、「トルタ」はタコスとはまた違った魅力があるのだ。
今回は、メキシコの世界遺産・古代都市チチェン・イッツァの帰りに味わったグルメ「トルタ」を紹介。世界遺産巡りのついでに味わってほしい「世界遺産級の激ウマ・グルメ」を解説していこう。
メキシコの世界遺産「古代都市チチェン・イッツァ」
メキシコ東部のユカタン半島。ここは熱帯ジャングルが広がっていて…かつてはマヤ文明が栄えた地であった。それもあり、森林の奥には突如石造りの巨大な建造物やピラミッドなどが出現する。保存状態もよく、失われた王国の当時の姿をイメージできるのだ。
…といかにも秘境にありそうなイメージあるが、チチェン・イッツァはメキシコ国内でも人気の観光地で、カリブ海リゾートとして有名なカンクンからはすごい数の日帰りバスツアーが出ているので、手軽に訪れることができる。…まぁ、チチェン・イッツァはあまりにも人気であり、オーバーツーリズム気味。こう言うと雰囲気が全くない場所かもしれないが、それでも見応えはあるので、このへんは世界遺産好きに多い「秘境トラベル」の難しいところである。
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実はタコス並みに人気がある!?トルタはメキシコ人も大好きなサンドイッチ
起点となるカンクンは、リゾート地だけあって、いろんな料理の店が並ぶが…どれも観光地価格だ。そこで気軽に食べられるのがファストフードとなるが、やはり、メキシコらしくタコス。しかし、メキシコ人は別にタコスばかり食べているわけではなく、意外にも人気が高いのが「ボリージョ」と呼ばれる小さなフランスパンっぽいパン。
とはいえ、フランスパンみたいに硬くなく、軽くてしっとりとした食感。そのままだと味はタンパクで微妙だが…なんとタコスの具材を入れてサンドイッチにするという方法もある!これをメキシコでは「トルタ(複数形:トルタス)」という。
特に専門店であるトルタ屋さんでは、具材の種類は豊富。もちろん、ハムやチーズ、トマトなどを入れるのは定番ではあるが、メキシコらしく、ひき肉やチョリソー、サルサなど、タコスっぽい具材で作ってくれることも。そして、現地だけでなく、観光客に人気の具材が「カルニータス」。これはラードで低温調理した豚肉のスライスなのだが、パリパリとした皮に脂身が非常にジューシーで、柔らかいボリージョに旨味を与えてくれるため、相性抜群なのだ!
特にカルニータスはタコスよりも圧倒的にトルタで食べるほうが美味しいのでおすすめだ。特にメルカド(市場)には、トルタを出す店はほぼ絶対あるので、カルニータスなどを出している店があり、現地の人々が並んでいれば…きっと「当たり」だろう。
…これは「世界遺産級」の味わいだ!
トルタは地方ごとに名物がある!
トルタについては店ごとにメニューが異なり、タコスも提供している店などはタコスの具材を使うため、種類がすごく豊富。しかも、メキシコご当地料理の蒸しとうもろこしを使った「ワハロタ」やサルサに浸したトルティーヤを使った「テコロタ」、辛いサルサとトマトソースで浸した「トルタ・アオガダ」など…地方オリジナルのトルタもある。
実はトルタはご当地ラーメン並みに庶民に親しまれているものなのだが、やはりサンドイッチだけに日本ではイマイチ弾けない。しかし、ここにメキシコ料理ならではのアイデアがあるので、ぜいトルタ屋さんがあったら寄ってみてほしい!
世界遺産のついでに世界遺産級のグルメも同時に楽しんでみてはいかが?
※こちらの内容は、あくまでも過去に現地を訪れた際に体験したものであり、最新情報はご自身でご確認ください。