登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (2), (4) |
申請年(暫定リストに記載) | 2017年 |
ポルトガルを代表する建築家アルヴァロ・シザは、モダニズム建築の継承しているものの、荒野や草原の中にシンプルな白い建築物を置くなど、彼の建築は場所に特化しつつ、全く異なる要素を組み合わせた文脈主義が見られるもの。
ここではアルヴァロ・シザの建築群:現代文脈主義の遺産がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アルヴァロ・シザの建築群について詳しくなること間違なし!
アルヴァロ・シザの建築群:現代文脈主義の遺産とは?
アルヴァロ・シザは、1933年生まれのポルトガルの建築家であり、1992年には優れた建築家を表彰するプリツカー賞をポルトガルで初めて受賞した人物。彼の建築はモダニズム建築を継承したものではありますが、少ない種類の材料を使ったシンプルな建築物が多いのが特徴です。
「文脈主義」とは、一般的に脈絡を強調することを指す哲学的概念で、彼の建築はルネサンスやバロック、モダニズムなど、あらゆる時代の建築を集約したもの。郊外の質素な家を宮殿のようにしたりと、高級感と親密さを兼ね備えるというもので、モダニズムを刷新して再解釈しています。それもあり、彼の建築は直線的で無機質であり、小さな窓が続く幾何学的なものでありますが、古いものや新しいもの、都市と自然など、対比的なものを結びつけ、関係性を持たせるというのが独特。
アルヴァロ・シザの建築群:現代文脈主義の遺産はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?
アルヴァロ・シザの建築群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
アルヴァロ・シザの建築群は、伝統建築や場所、景観、人間性といった尊重しつつ、近代の国際的な影響を作品に融合していて、建築と都市計画の発展において貢献しているという点。
登録基準(iv)
アルヴァロ・シザの建築群は、人間性と場所を尊重することを目的としていて、いくつかの様式や美的原理を集約して、モダニズムとポストモダニズムの間で生じた建築の行き詰まりを明らかにするのに貢献してきたということ。
世界遺産マニアの結論と感想
アルヴァロ・シザの建築物は、モダニズム建築を基盤としているものの、場所に特化していて、そこには文脈主義の要素が見られ、建築において大いに貢献してきたという点で評価されています。
ちなみに、彼はポルト大学の建築学部出身であり、なんと自分が学んだ建築学部棟を卒業後に設計した人物。割と建築学部出身の人の夢だと想うのですが、有名な建築家でもタイミングが必要なので、これができる人物はなかなかいないでしょう。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。