タジキスタンの世界遺産候補「古代クッタル」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分(暫定リストに記載)文化遺産
登録基準(暫定リストに記載)(2), (3), (4), (5)
申請年(暫定リストに記載)2023年

タジキスタン南西部はクッタル地方と呼ばれていて、ここは古代から肥沃な土地で鉱物資源なども豊かなことから、古代から多くの王朝によって支配され、それらの遺構が現在も各地で残っています。

ここでは古代クッタルがなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、古代クッタルについて詳しくなること間違なし!

目次

古代クッタルとは?

フルブック
画像素材:shutterstock

クッタルは、現在のタジキスタン共和国の南西部にあるハトロン州をおもに指していて、ここは肥沃な土壌と豊かな牧草地が広がり、鉱物資源が豊富でした。それもあり、ここは紀元前7世紀には既に記録が残るほどに歴史の深い土地で、東方遠征を行ったアレクサンドリア大王だけでなく、ペルシャ(イラン)やアラビア半島、中国から多くの旅行者や伝道師が訪れています。

8世紀ころになるとクッタルは独立公国となり、地方王朝として君臨していました。その後、イスラム勢力やモンゴル帝国の支配を受けるものの、自治権を持つことが多く、16世紀までこの地名は残り続けます。構成資産としては、11の遺構が登録されていて、6世紀から17世紀までの仏教寺院やモスク、宮殿、要塞、隊商宿、旧市街など、かつての繁栄が見られるものが登録。

古代クッタルはどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?

アジナ・テパ
画像素材:shutterstock

古代クッタルが評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
古代クッタルは、7世紀から16世紀にかけて多くの民族や宗教が交差した重要なエリアであったという点。

登録基準(iii)
古代クッタルは、何世紀にも渡って独自の伝統文化を維持してきたという文明の跡を示し、中央アジアの歴史の経過が見られるということ。

登録基準(iv)
古代クッタルの構成遺産は、建築物や都市計画など、中央アジア独特の建築が見られるという点。

登録基準(vi)
古代クッタルの構成遺産は、住宅からはその地域の水の利用方法などが見られ、中世の居住地の特徴を多く示すということ。

世界遺産マニアの結論と感想

古代クッタルは、農業や鉱業が盛んなことから、多くの民族がここを訪れた文化の交流地であり、古代から建築様式や宗教などが交差し、それが独自の文化を生み出したという点で評価されています。

ちなみに、クッタル公国の首都であったフルブクは、現在のハトロン州の都市クリャーブの近くにあります。ここは現職の大統領エモマリ・ラフモンの生誕地であることでも有名。農家の息子である彼は専門学校を経て電気技師から軍人、セールスマンまで経験した苦労人でもあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1200以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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