ロシアの世界遺産「カザン連邦大学天文台」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2),(4)
登録年2023年

ロシア連邦西部・カザン市にあるカザン連邦大学では、19世紀に天文学部が創設されると、世界でも早い段階から最先端の望遠鏡を持つ天文台が建造されました。ここでは天文学だけでなく、さまざまな発見がされていて、科学技術において大いに貢献してきた場所。

ここではカザン連邦大学天文台がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カザン連邦大学天文台について詳しくなること間違いなし!

目次

カザン連邦大学天文台とは?

カザン連邦大学天文台
画像素材:shutterstock

タタールスタン共和国の首都であるカザンには、1804年に創設されたロシアでも2番目に古い「カザン連邦大学」があります。1810年オーストリア出身のにジョゼフ・ヨハン・リトロウ(1781〜1840年)によって天文学部が創設されると、1814年に最初の天文台が建造されました。その後、1833〜1837年にかけて現在も残る天文台が建造。ここは建築家のミハイル・ペトロヴィッチ・コリンフスキーが設計した新古典主義建築の建造物となっていて、中央ドームには9インチの屈指鏡が置かれています。

その後、街の郊外には1899〜1901年にかけてエンゲルハルト天文台が建造されました。これはロシア出身の天文学者であるワシリー・エンゲルハルト(1828〜1915年)が、彼の友人が学長を務めていたため、カザン連邦大学へすべての機材を寄付したことが始まり。12インチの望遠鏡は現代でも唯一稼働するヘリオメーター望遠鏡(レンズを2つに切断して相互に動かすことができるようにした屈折望遠鏡)でもあります。

カザン連邦大学天文台はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

カザン連邦大学天文台
画像素材:shutterstock

カザン連邦大学天文台が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
登録基準(iv)
カザン連邦大学天文台は天文機器を完備した状態で保存されており、現在は主に教育において機能を果たしているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

カザン連邦大学の2つの天文台はさまざまな発見がされていて、当時の最先端の設備であり、おもに教育において貢献しているという点で評価されています。

ちなみに、カザン連邦大学は、ロシア革命の指導者ウラジーミル・レーニン(本名ウラジーミル・イリイチ・ウリヤノフ)の父、イリヤ・ニコラエヴィチ・ウリヤノフ(1831〜1886年)が卒業した大学でもありました。彼は中流階級であったものの、身分に関係なく、さまざまな子どもたちを教育したという立派な人物。しかし、その息子であるウラジーミル・ウリヤノフは同じ大学に入ったものの、学生運動に熱狂して中退させられてしまうのです。その後、サンクトペテルブルク大学の学外学生として卒業するので、彼の最終学歴は「サンクトペテルブルク大学卒」となっているのはこんな理由。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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