登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4) |
登録年 | 1999年 |
首都アムステルダムの北約20kmの位置にあるベームスター干拓地は、17世紀に建造されたオランダ初の干拓地です。ここは内海を5年もの歳月をかけて排水用の風車で干拓して形成された農地で、運河や堤防、道路など計画的に配置され、その景観を現在にまで残すもの。
ここではベームスター干拓地がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ベームスター干拓地について詳しくなること間違いなし!
ベームスター干拓地とは?
オランダ北西部・北ホランド州にあるベームスター干拓地は、1612年にかつて存在していた内海・ベームスター湖を風車で排水して、新しい農地や居住地として作られた開拓地。それまでも埋立地は各地にあったものの、約70平方kmもの広大な干拓地はオランダ初の大事業でした。ここは大きな環状運河に囲まれた整然とした区画を持つ農地で、それぞれ180m×900mの長方形の区画で構成され、その周囲は道路と水路が東西南北に延びていて、大通りに沿って建築物が並んでいます。
ベームスターは中心地にある中央ベームスター、農作地である北ベームスターと西ベームスター、園芸農園が多い南東ベームスターで構成されています。各地には17〜19世紀に建造された教会や住宅、農場の建築物、他にも当時利用されていた製粉所や鍛冶屋など、整然とした農地に美しい建造物が並ぶという文化的景観となっています。
ベームスター干拓地はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ベームスター干拓地が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ベームスター干拓地は、古代からの悲願であった理想的な干拓地であり、人類の創造的な干拓事業の傑作であるということ。
登録基準(ii)
ベームスター干拓地は、それまでの時代にない革新的な景観であって、これはヨーロッパだけでなく、世界各地の干拓事業に影響を与えたという点。
登録基準(iv)
ベームスター干拓地は、社会と経済の発展における重要な時期に建造され、人類の水利事業における大きな発展を示すということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ベームスター干拓地は、それまでの人類で成し得ることができなかった広大な干拓事業で、ここの成功によって世界中の干拓事業に大きな影響を与えたという点で評価されています。
ちなみに、オランダ王国の「オランダ」はホラント州に由来していて、英語だと「ネーデルラント」が正式名称ですが、ポルトガル語ではこの地域を「オランダ」と読むので、そのまま日本語でも取り入れられたために、現代日本語ではオランダと呼びます。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。