登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 2007年 |
フランス南西部にあるボルドーは、川が三日月型に歪曲し、港が形成されたことから「月の都」と呼ばれるようになりました。12世紀から交易都市として発展すると、18世紀に新古典主義の都市計画によって現在の町並みが形成。美しい宮殿が並ぶブルム広場はボルドーを代表する風景となっています。
ここでは月の港ボルドーがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ボルドーについて詳しくなること間違いなし!
月の港ボルドーとは?

フランス南西部にあるジロンド県の県庁所在であるボルドーは、「ボルドーワイン」の出荷港として有名な都市。南北を貫くガロンヌ川は中心部で三日月型に歪曲し、その部分が港として発展したことから「月の港」と呼ばれます。
ここは紀元前300年ころに創設され、ローマ帝国時代には既にワインを中心とした交易都市となりました。12世紀になると、ここはアキテーヌ公国というイングランドの支配下にあった時代もあり、商業都市として発展。



18世紀になると、大西洋を通じて貿易で大いに栄え、絶頂期を迎えます。現在の町並みはこの時期に形成されました。街には新古典主義様式の建造物が多く作られるようになり、中心部であるブルム広場は、2つの豪華絢爛な建築物が並ぶもの。街には347もの指定建造物があり、それぞれが国、県、地方自治体によって保護されてきたというのも特徴。
そして、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで続く「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の一部としても登録されています。
登録されている主な構成資産
ブルス広場



旧市街の中心部であり、ガロンヌ川に面した広場。ここは北側のブルス宮殿と南側のフェルム館によって半円形に囲まれています。18世紀に建築家アンジュ=ジャック・ガブリエルによって設計され、かつては王国広場と呼ばれていました。
1848年からブルス広場と名称を変更し、三女神の噴水が設置。2009年には、広場内に霧を散布し、水が張られるという仕組みの「水の鏡」が加えられ、今ではボルドーのシンボル的な存在に。
大劇場



旧市街の北側にあり、ローマ時代の大集会場の跡に築かれた劇場。ここは1773〜1780年に建造された、ルネサンス様式の建築物で、ファサードにはギリシャ神殿のように円柱が並び、ローマ時代の女神の石像が配置されています。
月の港ボルドーはどんな理由で世界遺産に登録されているの?



ボルドーが評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
ボルドーは国際交易都市であり、2000年以上に渡って人間が交流し続けることによって、現在に至るまで都市計画と建築物に変革を持ち込まれたということ。
登録基準(iv)
ボルドーは、18世紀から続く新古典主義の建築物が多く並んでいて、2世紀以上もその町並みが保存されているという点で貴重であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ボルドーは、ローマ時代から続く交易都市で、常に街は変化してきたのですが、18世紀からは新古典主義の建造物が並び、その景観が保存されているという点で評価。
ちなみに、ボルドーワインは、別にボルドーの町で作られるワインではななく、ジロンド県全域で作られたワインがこう呼ばれるのです。ボルドーワインは厳しい格付けがあって、これは1853年に皇帝ナポレオン3世によって決定したもので、今でも続く伝統あるランキング。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。