登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9), (10) |
登録年 | 2000年 |
ボリビア北部にあり、ブラジルとの国境に面したノエル・ケンプ・メルカード国立公園は、アマゾン盆地の中でも最大の公園で、セラード(草原に灌木が点在する地形)や熱帯雨林、湖など、さまざまな地形が見られ、4000種以上の植物や600種以上の鳥類、オオアルマジロやオオアリクイのような絶滅危惧種も生息しています。
ここではノエル・ケンプ・メルカード国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ノエル・ケンプ・メルカード国立公園について詳しくなること間違いなし!
ノエル・ケンプ・メルカード国立公園とは?
ボリビア東部に位置するサンタ・クルス県の中でも、ブラジル国境沿いにある約1万5230平方kmもの広大な国立公園。ここは標高200mの平原から1000mの山頂部まで高低差があるため、熱帯平原や湿地、セラード、常緑樹林など、さまざまな地形が見られます。そして、盆地は10億年以上前の先カンブリア時代(5億4100万年以前の時代のこと)からの進化の歴史を示す砂岩や珪岩などで形成。
ここは多彩な環境が存在するため、約4000もの植物も見られるというのが特徴。そして、600種以上の鳥類が生息し、これは南米で見られる鳥類の約20%もの数にも相当します。さらに、絶滅危惧種のオオアルマジロ、オオカワウソ、オオアリクイなどの哺乳類が見られ、他にも隔離された環境であるため、園内には貴重な固有種も生息。
ノエル・ケンプ・メルカード国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ノエル・ケンプ・メルカード国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
ノエル・ケンプ・メルカード国立公園では、常緑樹林、ヤシの林、セラード、湿地帯など、さまざま種類の生息地があり、特にセラードは何百万年も隔離されていたため、生態系の進化を研究するために貢献してきたということ。
登録基準(x)
ノエル・ケンプ・メルカード国立公園では、オオアルマジロ、オオカワウソ、オオアリクイなど、絶滅危惧種の大型脊椎動物の種類が多く見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ボリビアの北東部は、アマゾン川流域に属し、ここは低地の平原から高地の山岳地帯まで、さまざまな環境が見られるというのが特徴。人間の影響も受けずに隔離されたため、独特の生態系が形成され、固有種や絶滅危惧種が多く生息しているという点で評価されています。
オオアリクイは、なんと1日で3万ものアリを食べるほどに食欲旺盛なのですが、実は一つの巣から食べる量は少なく、割と徘徊してさまざまな巣から少しずつアリを食べているということがわかっています。欲のまま生きずに、ある意味、サスティナブルな生き方をしている動物でもありますね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。