フランス北西部のブルターニュ地方のカルナックにある巨石遺構が点在していて、これらはメンヒル(巨石記念物)が数列で並ぶという独特の景観が続きます。その建造の目的は謎ですが、紀元前5000年〜紀元前2000年前に建造されたことがわかっていて、先史時代の技術を現在に残すもの。
ここではカルナック列石がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カルナック列石について詳しくなること間違なし!
カルナック列石とは?
カルナックは、フランス北西部のモルビアン県のコミューンで、大西洋に面していることから、夏は海水浴場が開かれる街です。「カルナック」とは、ケルト語の「塚もしくは小高い丘」から由来されているとされ、45万年前から人が暮らしていたとされるほど。街の郊外には、4000ものメンヒルが数列で並ぶ「カルナック列石」があることで知られ、その長さは合計で4kmにも及び、3つの列石群に分かれています。
列石群は、西からメネク列石、ケルマリオ列石、ケルレスカン列石に分かれていて、特にメネク列石は長さが1167mにも及ぶほど。メンヒルは紀元前5000年〜紀元前2000年にかけて建造されたと推測され、その数は4000ほど残存。メンヒルは小さいもので約50cmから最大で約6mの巨大な石もあり、かつてはもっと大きなメンヒルもあったとされています。
しかし、その建造の目的は今でもわかっていません。精霊や巨人が作ったという伝説や、ストーンヘンジのような天文台的な役割があったという説があるものの、学者によって諸説あり、現在も不明。ただ列石の近くには大きな塚を盛り上げた古墳が見られ、街の東側にある「サンミッシェル古墳」など広大なものもあることから、これらの古墳と関連があるとされています。
世界遺産マニアの結論と感想
カルナック列石は、その膨大な数のメンヒルが存在してて、古墳と関連することから、なにかしらの記念碑的要素が見られるという点で評価されています。しかし、1996年に暫定リストに登録されたものの、フランスではあくまでも暫定リストに登録されただけで、世界遺産への登録作業についてはまだまだ進んでいない様子。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。