イギリスの世界遺産「グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1), (3), (4)
登録年1986年

ウェールズ北西部にあるグウィネズ州と周辺には、13世紀後半にイングランド王エドワード1世(1272〜1307年)によって建造された城郭が残っています。これらは環状に建設されたことから、アイアンリング(鉄の輪)と呼ばれ、その中でも保存状態の良い4つの城郭が登録。城の設計は城郭建築家のセント・ジョージのマスター・ジェイムズによるもので、当時の軍事建築の中でも非常に優れていました。

ここではグウィネズのエドワード1世の城郭と市壁がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、エドワード1世の城郭と市壁について詳しくなること間違いなし!

目次

グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁とは?

ビューマリス城/グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁
画像素材:shutterstock

イギリス西部にあるウェールズの各地に点在する、ビューマリス城、カーナーヴォン城、コンウィ城、ハーレフ城の4つと、それに付随する要塞都市を含めて世界遺産に登録。グウィネズ地方は、13世紀にイングランドによってウェールズへと侵攻し、この地の支配権を得たものの、抵抗が続いていたために、当時の国王であったエドワード1世はこの地に、アイアンリング(鉄の輪)と呼ばれる10の城を建造しました。

設計はこの時代で最も偉大な城郭建築家であったセント・ジョージのマスター・ジェイムズ(1230〜1309年)が担当したため、中世の軍事建築の最高峰でもありました。特にカーナーヴォンとコンウィに隣接する要塞都市は保存状態がよく、中世の城郭建築を今に伝えてきます。

登録されている構成遺産

ビューマリス城

ビューマリス城/グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁
画像素材:shutterstock

グウィネズ州の北西に浮かぶアングルシー島にあるビューマリス城は、1295年に建造され、六角形の二重の城壁を持ち、非常にバランスが良いものの、1320年に建設が中断したために未完成。

カーナーヴォン城

カーナーヴォン城/グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁
画像素材:shutterstock

カーナーヴォンはグウィネズ州の州都。13世紀にイングランド王のエドワード1世がウェールズ公国を治めるために、現在の石造りの城の建造を開始しました。この地では反乱が多かったために、城と市壁を繋げるという城塞都市として設計されたもの。

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コンウィ城

コンウィ城/グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁
画像素材:shutterstock

コンウィはコンウィ州の州都で、中世からコンウィ川の河口にある集積地でした。13世紀後半になるとエドワード1世がこの地を征服し、宮殿跡に城と城壁を建造。17世紀までは栄枯盛衰を繰り返したものの、18世紀には完全に廃墟になりました。

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ハーレフ城

ハーレフ城/グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁
画像素材:shutterstock

ハーレフとは「美しい岩」を意味し、丘の上に築城された城。ここは4つの塔と二重の城壁で囲まれた堅固な構造でもあります。麓まで階段がありますが、これは当時は海岸沿いにあったことを示す名残りで、正門でもあるゲートハウスと呼ばれる塔のある大きな門はシンボル的存在。

グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

カーナーヴォン城/グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁
画像素材:shutterstock

エドワード1世の城郭と市壁が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
ボーマリスとハーレフの城は、13世紀後半の軍事建築の特徴でもある二重壁で囲まれた同心円の構造と、中央に合わせたというプロポーションと石積みの美しさという点で非常にユニークな作品です。この2つは国王の主任建築家であり、1290年から1293年までハーレフの司令官であったセント・ジョージのマスター・ジェイムスの傑作であるという点。

登録基準(iii)
当時の政府が結成した委員会によってグウィネズの城を建設する際に、イングランド全域から労働者が連れてきていて、現場で切り出された石の使用についても文書に記録が残っています。それらは建設工事の資金調達の概要も示していて、労働者と住民の日常生活もわかり、中世の歴史における貴重な資料の一つであるということ。

登録基準(iv)
グウィネズの城郭と市壁は、13世紀後半から14世紀初頭のヨーロッパの軍事建築で最も優れた例で、当時ここではウェールズの反乱によって妨げられつつも、最小限の修復しかされておらず、砦、跳ね橋、城門、堡塁、地下牢、塔、城壁など、中世の建築様式のさまざまなパターンが見られるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

エドワード1世によって築かれた城郭と市壁は保存状態がよく、これらはマスター・ジェイムスによる中世の軍事建築の傑作であり、これらは労働者の出身地や素材の詳細など、当時の資料にも詳しく記録されているという点でも評価されています。

ちなみに、エドワード1世は、イギリスの模範議会を行ったことから「イギリス議会の父」とされるほど。そして、当時の反乱が多かったウェールズに対して、皇太子エドワードをプリンス・オブ・ウェールズ(ウェールズ大公)の称号を初めて与えた王様で、その伝統が今でも続いているといるといることでもおなじみですね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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