登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (5) |
登録年 | 2011年 |
フランス中南部にあるコース地方とセヴェンヌ山脈は、深い谷が点在し、農業と牧畜業の景観は文化的景観として登録。ここには石造りの農家や11世紀建造の修道院があり、特にロゼール山の麓にあるモン・ロゼールは伝統的な移牧が今でも行われています。
ここではコースとセヴェンヌの地中海農牧業の文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コースとセヴェンヌの農牧業景観について詳しくなること間違いなし!
コースとセヴェンヌの地中海農牧業の文化的景観とは?
フランス中南部のオクシタニー地域圏に属する4つの県にまたがっていて、合計で3000平方kmにも及ぶ広大な敷地が登録されています。コース地方とセヴェンヌ山脈は3000年以上に渡って、地中海性気候に合わせた農業と牧畜業によって作られた景観が見られ、中世になると各地に都市が発展し、宗教施設も多く建造されました。
コース地方とセヴェンヌ山脈では特に牧畜が重視され、農業牧畜、移牧、定住牧畜など、さまざまなタイプの牧畜システムが見られます。そして、ロゼール山の麓にあるモン・ロゼールは伝統的な移牧が今でも行われていることで有名。ここは中世以から続く牧畜社会の発展が見られ、現在でも活発です。フランスでも有名なブルーチーズであるロックフォール・チーズの産地であり、それを含めて文化的景観として登録。
コースとセヴェンヌの地中海農牧業の文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
コースとセヴェンヌの農牧業景観が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
コース地方とセヴェンヌ山脈は、地中海の農牧景観の一つで、この文化的伝統は独自の社会構造と羊の品種に見られ、これらは農場や集落、畑、灌漑システムにも反映されていて、特に12世紀以降発展してきました。この地の農牧業の伝統は今でも活発であるという点。
登録基準(v)
コース地方とセヴェンヌ山脈は、ヨーロッパの南西部で共通する地中海の農牧業の模範的な存在で、景観は過去数千年に渡って発展してきた農牧のシステムが現在でも残っているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
分かりづらい遺産ではありますが、コース地方とセヴェンヌ山脈は、数千年に渡って地中海気候に合わせた農業や牧畜が行われていて、それらは農場や集落、畑などに見られ、特にこの地は模範的存在であり、その文化的景観が評価されています。
ちなみに、ロックフォールは、イタリアのゴルゴンゾーラ、イギリスのスティルトンをあわせて「世界三大ブルーチーズ」とされています。しかし、ロックフォールは羊乳を原材料にしているのが大きな違いで味わいも結構異なります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。