パキスタンの世界遺産「ラホールの城塞とシャーラマール庭園」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1), (2), (3)
登録年1981年

パキスタン北東部の大都市ラホールには、ムガル帝国時代に築かれた2つの傑作があります。ラホール城は大理石の宮殿やモスクのある壮麗な建築物で、シャーラマール庭園に3つのテラスがあり、水路が張り巡らされた美しい景観が広がるもの。

ここでは、ラホールの城塞とシャーラマール庭園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ラホールの城塞とシャーラマール庭園について詳しくなること間違なし!

目次

ラホールの城塞とシャーラマール庭園とは?

画像素材:shutterstock

ラホールは、パキスタン北東部のパンジャーブ地方にある都市。人口はパキスタンでも第2位と、現在でも大都市です。街は11世紀頃から何度か栄枯盛衰を繰り返すも、最も栄えたのは16〜18世紀のムガル帝国時代。

16世紀後半にムガル帝国第3代皇帝のアクバルがこの地を首都にすると、皇帝によってラホールの城塞とシャーラマール庭園が建造。これらはイスラム教やペルシャ、ヒンドゥー教の建築様式に中央アジアの要素も加えられ、その後のムガル帝国内の建築物に大きな影響を与えました。

危機遺産(危機にさらされている世界遺産)

シャーラマール庭園の外壁が劣化し、道路の拡張工事によって給水施設が破壊されたことから、2000〜2012年には危機遺産に登録されていたことも。

登録されている構成遺産

ラホール城

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街の北西に位置してする広大な城塞。城の起源はよく分かっていませんが、11世紀のガズナ朝時代の硬貨が発見されたことから、少なくともこの頃には人が住んでいたと考えられています。その後、城はモンゴル帝国やティムール帝国によって破壊。16世紀後半にムガル帝国第3代皇帝のアクバルが、ここを都とするとラホール城も再建されました。

アクバルの時代には赤い砂岩やレンガなどを使って建造され、この時代の建築物は「ダウラト・ハーナイェ・ハーソ・アーム(謁見の間)」などが残ります。城が最も壮麗なものになったのは、17世紀前半の第5代のシャー・ジャハーンの時代。白大理石を使用した「真珠のモスク」や40本の円柱を使用した謁見の間であった「40本柱の間」などを増設して、ラホール城を壮麗な建築物に仕上げていったのです。

シャーラマール庭園

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ラホール北部にある広大な庭園。ここは17世紀前半に第5代のシャー・ジャハーンによって造園された、ペルシャ式泉水庭園でした。庭園は、南北658m、東西258mと長方形をしていて、レンガの壁で囲まれています。南から北に向けて傾斜があり、3つのテラスで構成。園内は給水施設が造られ、運河と噴水が配置されていて、荒野に位置するラホールでは癒やしの空間。なんと噴水は410も設置されています。

ラホールの城塞とシャーラマール庭園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

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ラホールの城塞とシャーラマール庭園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
広大なムガル帝国の皇帝であったアクバルやシャー・ジャハーンによって造られた、優れた建築物であるという点。

登録基準(ii)
ラホールの城塞とシャーラマール庭園は、他国の建築様式を取り入れたものではありますが、ここで確立した芸術様式はその後、数世紀に渡ってインド全体に影響を与えたということ。

登録基準(iii)
ラホールは、16〜17世紀のムガル帝国の芸術様式が最も栄えた時期であったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ラホールはムガル帝国初期の都ということもあって、城塞や庭園など、他国の影響を受けつつ、ムガル帝国独自の建築様式がここで確立され、それがインド全体に広がっていったという点で評価されています。

ちなみに日本では「ラホール」という名前のカレー屋さんが多いですが、そういうカレー屋さんは、パキスタンカレーではなく、インドカレーが出てくることが大抵のパターン。実際にインドカレーと共通点は多いですが、パキスタンのカレーは油多めで濃厚なタイプが多いというのが特徴です。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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