登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9), (10) |
登録年 | 2000年 |
スリナムの中西部に広がる熱帯雨林地帯は自然保護区として登録され、一部はギアナ高地に属し、敷地は1万6000平方kmにも及ぶほど広大なエリア。ここには5000種以上の植物が存在し、動物はジャガーやオオアルマジロ、ナマケモノなどの貴重種も見られ、絶滅危惧種のオウギワシをはじめ、コンゴウインコ、ギアナイワドリなど400種の鳥類も確認されています。
ここでは中央スリナム自然保護区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、中央スリナム自然保護区について詳しくなること間違いなし!
中央スリナム自然保護区とは?
首都パラマリボから南西へ約200kmほどの距離にある熱帯雨林地帯が世界遺産に登録されていて、ここはもともと1966年に認定された3つの自然保護区が1998年には「中央スリナム自然保護区」として統合されたもの。現在の面積は1万6000平方kmにも及び、これはスリナムの国土の約11%にもなります。自然保護区はギアナ高地の最東部にあたり、ここにはテプイ(テーブルマウンテン)もあり、南にはウィルヘルミナ山脈という、スリナムで最も高い山・ユリアーナトップ(標高1230m)を含めた山岳地帯が広がっているのも特徴。
この地はほぼ人が訪れることがなく、古来より自然が保護されてきました。特に高山地帯と低地の熱帯雨林などを含んでいて、5000種以上の植物が見られ、固有種も存在。絶滅危惧種のオウギワシをはじめ、コンゴウインコ、ギアナイワドリなど400種の鳥類が確認されています。さらにコモンリスザルとクロクモザルなど霊長類が8種見られ、ノドジロミユビナマケモノやフタユビナマケモノといった哺乳類も生息。絶滅危惧種としては、ジャガーやオオアルマジロ、オオカワウソなどが含まれています。
中央スリナム自然保護区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
中央スリナム自然保護区が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
中央スリナム自然保護区は、標高25〜1250mの高低差があり、非常に多様な地形が見られ、熱帯雨林から湿地林、サバンナ、花崗岩の残丘などが広がります。この地は人間が開発することがなかったため、上位捕食者もそのまま生存していて、数少ない一つの集団の遺伝子の流れを維持することができる環境であり、森林における生態系が維持されている地であるということ。
登録基準(x)
中央スリナム自然保護区は、ギアナ高地の他の地域とは異なる生態系であり、驚くほど多様な動植物が見られ、絶滅危惧種も生息しています。5000種以上の植物が存在し、スリナムで知られている1890種の脊椎動物のうち、少なくとも65種が固有種で、特にこのエリアの固有種でもあるオオカワウソやギアナイワドリなどの生息地となっているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
中央スリナム自然保護区は、標高差が1000m以上もある上に人間の手が入っておらず、国土の11%も登録されているほどに広大。ここにはギアナ高地の他の地域では見られない、多様な動植物が存在し、固有種なども生息しているという点で評価されています。
ちなみに、イワドリのオスは「求愛ダンス」を行うことで有名。さらに、メスの気が変わりやすく、求愛中であっても他のオスが妨害すると、そちらのほうに移ってしまうことも。浮気しがちな鳥でもありますね…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。