登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4) |
登録年 | 2021年 |
首都モンテビデオの郊外に位置するアトランティダには、1958〜1960年に技師エラディオ・ディエステによって建造された聖堂があります。長方形の平面をベースに曲線のある壁が続くという独特なモダニズム建築で、20世紀後半のラテンアメリカ建築の傑作の一つ。
ここでは技師エラディオ・ディエステの作品:アトランティダの聖堂がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アトランティダの聖堂について詳しくなること間違いなし!
技師エラディオ・ディエステの作品:アトランティダの聖堂とは?
首都モンテビデオから東へ約45kmほどの距離にある小さな街アトランディア。ここにはレンガで建造された広大な聖堂があり、地下洗礼堂と鐘楼の2つで構成されています。地下洗礼室は起伏のある屋根を支えるために曲線状の壁となっていて、鐘楼は透かし彫りのように窓が配された外壁がユニーク。
この聖堂の最大の特徴は新しい建築技術が多く使用されているという点。ディエステはレンガをさらに強化するためにセラミックを利用した強化レンガを使用しました。そして、聖堂の材料は、すべて地元の建築資材を使用。これはモダンなデザインであっても、地元の建築の伝統に根付いてて、地元の建築素材を使用し続けることのできる持続可能な設計にしたディエステのヒューマニズムが反映されたものでした。
技師エラディオ・ディエステの作品:アトランティダの聖堂はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
アトランティダの聖堂が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
アトランティダの聖堂は、この地域の伝統建築を再解釈し、デザインの自由度が上がる強化レンガを使用して現代的な表現するという、技術革新が見られるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
アトランティダの聖堂は、かなり個性的な建造物ではありますが、この独特のデザインに耐えうるために強化レンガを改良したという技術革新と、地元産の建築素材を使用して維持し続けることができるという持続可能な構造などが評価されています。
アトランティダは農業が盛んな地ではありますが、リゾート地としても有名。おもにモンテビデオの中産階級の人々がよく訪れ、夏はウォータースポーツが盛ん。モンテビデオから近いためか、人口は1960年代に比べて10倍にも増えてきているので…東京でいえば湘南や鎌倉のような場所になりつつあるようです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。