コロンビアの世界遺産「コロンビアのコーヒー産地の文化的景観」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(5), (6)
登録年2011年

コロンビア西部のコルディリェーラ・デ・ロス・アンデス山脈の中西部には、世界でも最高品質のコロンビア・コーヒーの農園を含め、18の都市と6箇所の農業地帯が文化的景観として登録。ここは100年を越えるコーヒー農園の伝統を示し、傾斜地にコーヒー豆の生産のための都市が建造され、これはスペインの影響を受けたアンティオキア県の植民都市の特徴を持つもの。

ここではコロンビアのコーヒー産地の文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コロンビアのコーヒー産地について詳しくなること間違いなし!

目次

コロンビアのコーヒー産地の文化的景観とは?

コロンビアのコーヒー産地の文化的景観
画像素材:shutterstock

ここはコロンビア北西部にある農業地帯であるパイサ地域の一部であり、カルダス県、キンディオ県、リサラルダ県にまたがって、18の都市と6つの農業地帯が登録されています。コーヒー豆は高地で栽培されるため、住民は山岳地域の森林を開拓して、勾配が55度を越える急な斜面にコーヒー農園を建造。ここは100年を越えて受け継がれてきた伝統的なコーヒー豆の生産にまつわる経済圏と文化を生み出したという文化的景観が広がっています。

各都市はコロンビア北西部のアンティオキア県のスペイン文化に影響を受けた植民都市の特徴が見られ、コーヒー農園にまつわる建築物、生活様式、土地利用の技術など、先住民の文化を融合しながらコーヒー豆の栽培が続けられてました。邸宅はバハレクという伝統的な様式で建造されたもので、トウモロコシの穂軸やサトウキビの茎を粘土と一緒に混ぜた壁、粘土タイルなどの屋根などを使用して、現在もこの技法が見られます。この地域はコーヒー農園やコーヒー生産の拠点として人気の農村などのエンタメ施設が並び、観光客も多く訪れる場所となりました。

コロンビアのコーヒー産地の文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

コロンビアのコーヒー産地の文化的景観
画像素材:shutterstock

コロンビアのコーヒー産地が評価されたのが、以下の点。

登録基準(v)
コロンビアのコーヒー産地の文化的景観は、この地に住む農民たちによって険しい土地で数世紀に渡って天然資源であるコーヒー豆の革新的な運用が行われた証でもあり、彼らによって独自の文化を生み出され、それらはコーヒー農園や都市における装飾や建築素材にも見られるという点。

登録基準(vi)
コロンビアにおいてコーヒー生産は国民文化でもあり、ここは社会や邸宅だけでなく、文化全体に融合が見られ、それはこの地で引き継がれてきました。そして、それは伝統的な帽子ソンブレロやコーヒー農家が使用しているショルダーバッグなど、地元の伝統的な衣装にも見られるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

コーヒーにまつわる文化的景観ということで、非常に分かりづらい遺産ですが、ここは険しい土地を開拓して、技術を発展させながら独自の文化が形成され、コーヒー農園や都市には建築物の素材や装飾を含めてその影響が見られ、衣装にまで影響を与えているという点で評価されています。

ちなみに、コロンビア・コーヒーというのは、日本だけでなく、世界中で広告キャンペーンが行われていて、ソンブレロをかぶって白いポンチョの上にコロンビア国旗の肩掛けを羽織った、この地域の農家をイメージしたキャラクター「フアン・バルデス」が有名。といってももともとは俳優がその役を演じていたのですが、現在は実際の農園主が演じていて、ある意味リアルなフアン・バルデスでもあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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