アラブ首長国連邦の世界遺産「アル・アインの文化的遺跡群(ハフィート、ヒーリー、ビダー・ビント・サウドとオアシス群)」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (4), (5)
登録年2011年

アラブ首長国連邦を構成するアブダビ首長国の東に位置するアル・アイン。ここには紀元前2500年前の円形の石造りの墓などがあり、これらは新石器時代以降、砂漠地帯に人類が定住していたことを示すもの。そして、ヒーリーと呼ばれる地域には、鉄器時代に遡るという世界最古の灌漑施設アフラージュが存在していたことで知られます。

ここではアル・アインの文化的遺跡群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アル・アインの文化的遺跡群について詳しくなること間違なし!

目次

アル・アインの文化的遺跡群(ハフィート、ヒーリー、ビダー・ビント・サウドとオアシス群)とは?

アル・アインの文化的遺跡群/アル・アインの文化的遺跡群
画像素材:shutterstock

アルアインは、オマーンの国境沿いにあるアブダビ首長国でも第2の規模を誇る都市でもあります。ここは歴史が古く、新石器時代から人々が暮らす地で、特に青銅器時代や鉄器時代の遺構が多く点在。西はメソポタミアから東はオマーンまで、古代文明の交差点であり、狩猟採集から農業へと至る、これらは人類が定住化したことを示すもの。

その中でも、ハフィートとヒーリーには、円形の石造りの墓と集落遺跡があり、他にも灌漑施設や住居、塔、宮殿、行政施設など、日干しレンガによって築かれた建築物が並びます。さらに世界最古の灌漑施設である「アフラージュ」があり、ここは砂漠地帯で安定的に水が供給できるようになり、現在まで5000年にも渡って農業が発展してきました。

ハフィート

ハフィート/アル・アインの文化的遺跡群
画像素材:shutterstock

アル・アインの南方に位置する、標高1240mのハフィート山や周囲の考古学遺跡が登録。ここはハフィート期(紀元前3100年から前2800年頃)の遺構が見られ、ここで発見された積石塚はアラビア半島でも最古のもので、円形に石を積み上げたもの。

ヒーリー

ヒーリー/アル・アインの文化的遺跡群
画像素材:shutterstock

ヒーリーはアル・アイン北部に位置するエリアで、ヒーリー考古学公園と周囲の遺跡が登録。これらは紀元前3000年から紀元前300年頃のもので、青銅器時代から鉄器時代に至るもの。ウンム・アン=ナール文化(紀元前2600〜2000年)の時代には、ハフィート式の墳墓から円形の蜂の巣型の墓へと変化し、ウンム・アン=ナール文化の墳墓への発展が見られます。そして、世界最古の灌漑施設の跡も存在。

ビダー・ビンド・サウドとオアシス群

ビダー・ビンド・サウドとオアシス群/アル・アインの文化的遺跡群
画像素材:shutterstock

ビダー・ビンド・サウドは、アル・アインの北部にある農耕集落の遺跡で、青銅器時代から鉄器時代までのもの。アル・アインの中心部にある6つのオアシスも世界遺産に登録されていて、最も古いものは紀元前2000年ころには存在していたとされるほど。オアシスにはモスクや邸宅、砦などが見られますが、多くは19世紀以降に建造されたものです。

アル・アインの文化的遺跡群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ビダー・ビンド・サウドとオアシス群/アル・アインの文化的遺跡群
画像素材:shutterstock

アル・アインの文化的遺跡群が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
アル・アインの文化的遺跡群は、新石器時代から鉄器時代にまで砂漠地帯に繁栄した先史時代の文化が見られ、ここは狩猟採集民からオアシスにおける定住への移行期を証明するものであるということ。

登録基準(iv)
アル・アイン各地に残る墳墓と建築物跡は、ウンム・アン=ナール文化に属し、アラビア半島の青銅器時代と鉄器時代の人類の発展を示すもので、紀元前1000年頃から建造されたアフラージュは砂漠における灌漑施設が存在したという証拠であるという点。

登録基準(v)
アル・アインの文化的遺跡群は、アラビア半島の北東部、特に先史時代の文明の科学力を証明するもので、砂漠環境の中でも水を利用しながら持続可能な開発を確立し、オアシスのような緑豊かな環境を作り出したということ。

世界遺産マニアの結論と感想

アル・アインには、新石器時代から鉄器時代まで人類がこの地で砂漠環境に適応しながら、それまでの狩猟採集から灌漑施設を利用した農業へと社会が移行し、定住にいたるまでの長い歴史が見られるという点で評価されています。

ちなみに、ウンム・アン=ナール文化の「ウンム・アン=ナール」とは、首都のあるアブダビ島の東にある小さな島のこと。ここでは積石塚が発見されたことからその名が付けられました。実は都市であるアブダビは、島の集合体であり、かつては漁業と真珠の採取で栄えた小さな町から発展したもの。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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