登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (8) |
登録年 | 1979年 |
カナダ西部のカナディアン・ロッキー南東にはある「州立恐竜公園(ダイナソール州立公園)」は、バッドランドと呼ばれる荒野にあり、7500万年前の白亜紀後期の地層が地表に出た場所。ここには45種以上の恐竜の化石が発見され、世界最大級の恐竜の化石層として評価されています。
ここでは、州立恐竜公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、州立恐竜公園について詳しくなること間違いなし!
州立恐竜公園(ダイナソール州立公園)とは?
カナダ西部のアルバータ州のカルガリーから東へ車で約2時間。バッドランドと呼ばれる荒れ果てた地にある公園。ここには45種類以上の恐竜の化石が発掘され、世界最大級の恐竜の化石層があることから有名です。
バッドランド
草木が生えない「悪地」という意味で、公園のほとんどは荒野になっています。アルバータ州南西部のレッドディア川が作り出した渓谷沿いに広がっていて、実際は草原なども見られるというのも特徴。この辺りは7500万年前の白亜紀後期は海辺に位置し、ヤシの木やシダの木が広がっていて、かつては恐竜が住んでいたエリアでもあったのです。
ここは氷河や川の侵食によって大地が削られため、キノコのような形をした「フードゥー」と呼ばれる土柱など、独特の景観が広がっています。
恐竜の化石
1884年に考古学者ジョセフ・バール・ティレルが氷河によって削られた地層から肉食恐竜の頭蓋骨を発見。彼はこれをアルバートサウルスと名付けました。その後の調査によると、ここは7500万年前の白亜紀後期の地層が表面に出ていることが判明。
やがてトリケラトプスやティラノサウルスなど、45種以上の恐竜の化石が発見され、150もの完全な恐竜の骨格も発掘。世界で知られている恐竜の5%がここから発掘され、その量を踏まえると世界最大級の恐竜の化石層であり、まだまだ発掘が続いています。
州立恐竜公園(ダイナソール州立公園)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
州立恐竜公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ここは半乾燥の草原に川の侵食によって形成された地形の優れた例で、バッドランドは荒野であるものの、美しい自然の景観が見られるという点。
登録基準(viii)
ここで発掘された、150の恐竜の骨格などを含む、白亜紀の恐竜の化石は非常に多く、恐竜以外の化石も多く発掘され、これらは古生物学において非常に重要な資料であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ここは19世紀後半から知られる世界でも最大級の恐竜の化石層であり、アルバートサウルス、ティラノサウルス、トリケラトプスなど、有名な恐竜の化石が多く発見されているという点で評価。化石だけではなく、氷河や河川によって形成されたバッドランドの自然美も評価されているのもポイント。
ちなみに、アルバートサウルスは、ティラノサウルスと同じティラノサウルス科に属する恐竜。ただし、ティラノサウルスは全長約13mと考えられているのに対し、こちらは9m程度。しかし、かつての頂点捕食者として、相当なハンティング能力があったとされる恐ろしい恐竜なのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。