ブラジルの世界遺産「コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(9), (10)
登録年1999年

コスタ・ド・デスコブリメント(ディスカバリー・コースト)は、ブラジル北東部の森林地帯で、ここはポルトガル人が初めてブラジルに上陸した地であるモンテ・パスコアル国立公園を含めた8つの保護区で構成。総面積1120平方kmを越える多雨地帯であり、パウ・ブラジル(ブラジルボク)など、固有種を含めた貴重な樹木が見られます。

ここではコスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群について詳しくなること間違いなし!

目次

コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群とは?

コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群
画像素材:shutterstock

登録範囲は、ブラジル北東部のバイア州とエスピリト・サント州にまたがっていて、ここはブラジルの大西洋側に広がる森林地帯でも、固有種を含めた生物多様性が存在し、南米大陸の中でも貴重な森林生態系が見られます。モンテ・パスコアル国立公園はポルトガル人が初めてブラジルに上陸した地であることから、コスタ・ド・デスコブリメント(ディスカバリー・コースト)と呼ばれ、名前の由来となっています。他にもウナ生物保護区、CEPLACのパウブラジル試験拠点、ソーレタマ生物保護区、ヴェラクルス保護拠点の民間自然遺産保護区、リニャレシュ森林保護区、パウ・ブラジル国立公園、デスコブリメント国立公園を含めた8つの保護区で構成。

総面積1120平方kmにも渡る保護区内には、ブラジルという国名の由来となったパウ・ブラジル(ブラジルボク)を含めて、ブラジルゾウゲヤシやマングローブなど、450種の樹木が見られるというほどに世界でも最も豊かな熱帯林地帯でもあります。

コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群
画像素材:shutterstock

コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ix)
大西洋岸森林保はこの地域の固有種とアマゾンの生態系が入り混じっていて、特に現在この地に生息する植物や鳥類から、かつて2つの主要な生態系がこの地に存在していたことを示します。現在は2つの生態系は分断されたため、ここには固有種や希少種が豊富に生息することとなり、8つの保護区は古くから存在する環境と生態系を残し、この地は進化の構造が見られるという点。

登録基準(x)
コスタ・ド・デスコブリメントの大西洋岸森林保護区群は、生物多様性の点では世界でも最も豊かな熱帯林帯の一つで、450種の樹木、絶滅危惧種を含む627種もの植物が存在し、これは世界の植物相の約20%が生息するというほど。この地の動物相は、21種の有袋類(15%が固有種で15%が絶滅危惧種)、620種の鳥類、280種の両生類、261種の哺乳類で構成。ここは合計で185種(うち100種が固有種)が絶滅危惧種で、73種の哺乳類、21種の霊長類、118種の鳥類(うち固有種が49種)、16種の両生類、13種が爬虫類(うち固有種が10種)であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

大西洋岸には森林地帯が多く広がっていますが、こここはその中でもアマゾンの生態系と入り混じったことによって独自の生態系が見られ、古くからの環境が残ることから、固有種と絶滅危惧種が見られる熱帯林がそのまま残されているという点で評価されています。

ちなみに「大西洋岸森林」としては、他にも南側の「大西洋岸森林南東部の保護区群」も世界遺産に登録。そもそも「大西洋岸森林」というと…どこの国のどのエリアを示すのか分からない上に広すぎるので、日本でもブラジル・ポルトガル語の「マタ・アトランチカ」と表記することも多くなりました。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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