イタリアの世界遺産「アペニン山脈北部の蒸発岩カルストと洞窟群」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(8)
登録年2023年

イタリアを南北に縦貫するアペニン山脈の北部には、石膏や硬石膏などの蒸発岩によるカルストが多く見られる地で、地下には700を越えるカルスト洞窟が存在。セッキア渓谷には、恐竜が住んでいた中生代から残る硬石膏が見られ、洞窟はさまざまな時代に形成された跡も残り、世界でもよく研究対象にされているエリアでももあります。

ここではアペニン山脈北部の蒸発岩カルストと洞窟群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アペニン山脈北部の蒸発岩カルストと洞窟群について詳しくなること間違いなし!

目次

アペニン山脈北部の蒸発岩カルストと洞窟群とは?

アペニン山脈北部の蒸発岩カルストと洞窟群
画像素材:shutterstock

アペニン山脈はイタリア半島を縦貫する山脈で総延長は1200km。北部に位置するエミリア=ロマーニャ州では「蒸発岩」という、塩分を含んだ水が干上がり、水中に溶けた物質が固体化して形成されたカルスト地形が見られる地。この地では700以上もの洞窟があり、美しい鍾乳洞には端脚類の二ファルグス・ポイアノイと呼ばれる、珍しいエビのような生物など、洞窟だけに暮らす生物も多く、固有種が見られます。

セッキア渓谷にある三畳紀(約2億5190万年前〜約2億130万年前)の硬石膏は、非常に稀な蒸発岩で、ここは世界でも最も古い硬石膏の洞窟とイタリア最大のカルストの温泉が存在しています。カルスト地形には、硬石膏と石膏の変動性が見られ、洞窟はメッシニアン期(725〜533万年)と50万年前のものと、2つの異なる時期に形成されているのが特徴。ここでは2000を超える論文が発表され、世界でも最もよく調査・研究されている蒸発岩カルストでもあります。

アペニン山脈北部の蒸発岩カルストと洞窟群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

アペニン山脈北部の蒸発岩カルストと洞窟群
画像素材:shutterstock

アペニン山脈北部の蒸発岩カルストと洞窟が評価されたのが、以下の点。

登録基準(viii)
この地は保存状態の良い硬石膏のカルスト地形が広がっていて、比較的狭いエリアに900以上もの洞窟があり、合計で100km以上の洞窟が続きます。これらは世界で最初で最もよく研​​究された蒸発岩であり、16世紀から研究が始まりました。そして、地下265mに達する、現存する最も深い石膏洞窟も含まれているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

アペニン山脈北部の蒸発岩カルストと洞窟群は、中生代の硬石膏が残っていて、カルストの洞窟の数も多く、古くから研究対象となっているという点で評価されています。

ちなみに、エミリア=ロマーニャ州は、もともと西部・中部のエミリア地方と、東部のロマーニャ地方を結んだエリア。エミリアという言葉は、古代ローマ時代のエミリア街道という大きな街道が由来していて、ロマーニャは中世初期に東ローマ帝国がこの地を支配したことから、この名が付けられたため、由緒ある名前なのですが…州という概念が誕生したのはイタリアが統一された19世紀以降と割と最近。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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