登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9) |
登録年 | 2012年 |
フロー・カントリーはイギリス北部、ブリテン島最北部にあり、ヨーロッパ最大のブランケット湿原が広がる地。ここは泥炭や沼が多く点在する広大な荒れ地で、植物はミズゴケなどが生えている程度ですが、貴重な鳥類が多く生息することでも知られます。
ここではフロー・カントリー地域がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、フロー・カントリーについて詳しくなること間違いなし!
フロー・カントリー地域とは?
スコットランドでも最北部にあるケイスネス州とサザーランド州にまたがる約4000平方kmにも及ぶ広大なエリア。ここはヨーロッパでも最大規模の「ブランケット湿原」と呼ばれる泥炭が広がる大地に、沼地が点在しています。「フロー」とは、沼地や湿った土地を意味する「フロイ」から由来していて、ミズコゲやコケ類が大地を覆うという独特の景観が広がっているのが特徴。
ここは北方に暮らす鳥類の生息地の南限でもあり、ノドグロアビ、アオアシシギ、ヨーロッパムナグロ、コチョウゲンボウ、コミミズクなど、希少な鳥類が多く生息する地として有名。さらにはヨーロッパノスリやハイイロチュウヒなどの猛禽類も訪れます。
フロー・カントリー地域はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
フロー・カントリー地域が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
フロー・カントリーは、ヨーロッパ最大規模のブランケット湿原の約1.5%に相当するほどに泥炭地が広がり、多様な植生が見られます。ここでは泥炭地が誕生する過程が見られ、泥炭は植物の死骸で構成され、地下には大量の炭素が埋まっていて、非常に大規模な炭素隔離を継続しており、研究に貢献しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
フリー・カントリーは、ブランケット湿原が広がり、泥炭地の形成に関する過程が見られるという貴重な場所で、水鳥やシギ類を含めた貴重な鳥類が生息しているという点で評価されています。
ちなみに、フロー・カントリーでは、1970年代には植林のために外来の針葉樹が植えられ、泥炭地の一部が消失。植林は中止されたものの、被害を回復するために、英国王立鳥類保護協会によって土地が購入され、保護区が設立しました。しかし、元の土地に戻るのは、時間がかかることが予測され、一度破壊された環境はなかなか元に戻らないという悪い例を人類に示してしまったのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。