エチオピアの世界遺産「歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (3), (4), (5)
登録年2006年

エチオピア東部のハラールは、砂漠とサバンナに囲まれた峡谷にある都市。ここはかつては交易で繁栄し、13〜16世紀にかけて築かれた「ジュゴル」と呼ばれる城壁が残っていて、一時期はイスラム国家であったアダル・スルタン国の首都であったことも。歴史地区には82ものモスクが残ることからイスラム教において第4の聖地とされることもあります。

ここでは歴史的城塞都市ハラール・ジュゴルがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ハラール・ジュゴルについて詳しくなること間違いなし!

目次

歴史的城塞都市ハラール・ジュゴルとは?

歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル
画像素材:shutterstock

エチオピア東部のハラリ州の州都ハラールは、首都アディスアベバから525kmほど離れた位置にある高原都市。ハラール・ジュゴルの「ジュゴル」とは、13〜16世紀に建造された高さ約4mの城壁のことで、5つの門が今でも現存しています。ここは1520年から1568年までアダル・スルタン国(1415年頃 〜1559年頃)の首都として機能していて、イスラム教においてはメッカ、メディナ、エルサレムに続く、第4の聖地として考えられることもあり、歴史地区には82のモスクが現存。そのうち3つのモスクは10世紀に起源を持つほどに古いもの。17世紀には首長国として独立しますが、1887年にエチオピアに併合。

ここは内陸部と沿岸部を結ぶ交易地であり、16世紀のイスラム都市の区画が残っていて、アフリカとイスラムの伝統文化が融合した建築様式が見られます。迷路のような旧市街には商業施設や宗教施設が残り、伝統的なハラールの家が密集。19世紀にはインドの商人たちによる木製のベランダを備えた家もあり、フランスの早熟の詩人アルチュラール・ランボーが場年を過ごした邸宅も記念館として残っています。

歴史的城塞都市ハラール・ジュゴルはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル
画像素材:shutterstock

ハラール・ジュゴルが評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
ハラール・ジュゴルの歴史的城塞都市は、イスラム文化の価値の重要な交換を示し、キリスト教徒の多い地域に囲まれた都市の社会・文化の発展が見られ、これらはアフリカの内陸部、特にエチオピア南部の伝統建築と融合し、独特の建築物と都市計画が存在するという点。

登録基準(iii)
ハラールは、アフリカのイスラム教におけるルーツに関連する文化的伝統を示していて、アラビア半島から来訪した聖者によって開かれたイスラム教の「第4の聖地」と考えられている地。ここは交易の場であるにもかかわらず、さまざまな文化の影響を受けているものの、ハラールは独自の共同体と伝統文化が今でも残っているということ。

登録基準(iv)
ハラールでは、アフリカとイスラムの伝統が融合した建築様式と都市計画が見られ、これらはこの地方でも独自のものであるという点。

登録基準(v)
ハラールは、環境と文化の相互作用を示す伝統的な人間の居住地の例であり、社会と空間、言語は周囲の環境の中で発展し、その文化は現在でも残っていますが、現代においては非常に脆弱であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ハラール・ジュゴルは城壁を意味するものですが、歴史地区はイスラム世界において第4の聖地とされることもあり、アフリカとイスラムの建築様式が見られ、独自の建築物や都市計画が残っているという点で評価。しかし、この地で残る文化は現代社会における変化に対応することが難しい環境にあるという点で危惧されています。

ちなみに、ハラールというとコーヒー好きには「ハラール・コーヒー」として知る人ぞ知る存在。エチオピアコーヒーのためモカではありますが、希少な豆で苦味とコク、甘い香りが絶妙です。ハラールというと、イスラム教の食事規定などを示す「ハラール(Halal)」のイメージではありますが、こちらのスペルは「Harar」なので要注意。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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