登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (9), (10) |
登録年 | 2019年 |
インド洋南部のフランス領南方地域は、クローゼー諸島、ケルゲレン諸島、サンポール・ヌーヴェル・アムステルダム諸島、他にも60もの小さな島で構成されています。ここは67万平方kmに及ぶ敷地が含まれ、人間の活動エリアから遠く離れていることから鳥類や海洋哺乳類が世界で最も生息する場所の一つ。特にオウサマペンギンとアホウドリの生息数が世界で最も多いエリアでもあります。
ここではフランス領南方地域の陸と海がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、フランス領南方地域について詳しくなること間違いなし!
フランス領南方地域の陸と海とは?
フランス領ではありますが、インド洋南部に位置する「フランス領南方・南極地域」の一部は世界遺産に登録されてます。南緯37度線と50度線の間に位置するクローゼー諸島、ケルゲレン諸島、サンポール・ヌーヴェル・アムステルダム諸島、他にも60もの小さな亜南極諸島で構成。67万平方kmに及ぶエリアは、ほとんどが海ではありますが、火山島が続き、ここは南極近海の生態系が保護されていて、鳥類や海洋哺乳類の生息数としては世界でも最大規模を誇る場所の一つ。
オウサマペンギンとアホウドリの生息数は世界で最も多いエリアで、まさにオアシスのような存在。クローゼー諸島は4種類もペンギンが見られるのが特徴。ここは人間の活動地域から大きく離れているため、生物の進化が分かる場所で、特に鳥類や哺乳類の長期的なモニタリングや地球の気候の変化の影響などが計測できることも可能に。
フランス領南方地域の陸と海はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
フランス領南方地域が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
フランス領南方地域は、火山の景観が見られ、地球の中でも手つかずの自然が最大限に残るエリアの一つで、鳥類や哺乳類の生息数が集中していて、広大なコロニーが存在。特にクローゼー諸島はオウサマペンギン、アムステルダム島はアホウドリの世界最大の繁殖地があり、ケルゲレン諸島には世界で2番目のゾウアザラシの生息数を誇るという点。
登録基準(ix)
フランス領南方地域は、3つの大洋が集まる場所で、大陸棚があり、非常に多様な生態系が見られる場所でもあります。世界でも最大の海洋保護区の一つであり、南太平洋の生物多様性と生態学のプロセスをよく示し、生物のライフサイクルが保護され、鳥類や哺乳類の多様性が維持されるもの。これらの島々はどの大陸からも数千kmも離れていて、人間活動の影響を受けないため、生物の進化の過程が分かる場所であるということ。
登録基準(x)
フランス領南方地域は、最大47種5000万羽もの鳥類を保護していて、これらの中で16種が世界で発見されている個体数の中で半分も見られます。オウサマペンギンとアホウドリの生息数は世界で最も多いエリアで、アムステルダム島のアホウドリは8種も固有種が存在。他にもミナミゾウアザラシは世界で2番目、オットセイは世界で3番目の生息数を誇り、ここは種の豊富さと多様性に関しては他こエリアよりも秀でているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
フランス領南方地域は、大陸から離れているだけでなく、大陸棚が存在し、ここはさまざまな海流が交わり、生物多様性が維持できるという環境。そして、オウサマペンギンとアホウドリの生息数は世界で最も多く、生物の進化が分かる場所として評価されています。
ちなみに、最も南に位置するケルゲレン諸島は、世界遺産にも登録されているオーストラリアのハード島とマクドナルド諸島とは約450kmしか離れていません。ややこしい話ですが、ケルゲレン諸島はヨーロッパ、ハード島とマクドナルド諸島はオセアニアに属しているので、世界で一番ヨーロッパとオセアニアが近い部分かもしれませんね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。