登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (5) |
申請年(暫定リストに記載) | 2017年 |
首都クアラルンプール郊外に位置するマレーシア森林研究所は、滝や植物園を含めた広大な自然公園となっています。ここは1920年代から熱帯雨林を保護してきた場所で、その研究について大いに貢献してきました。
ここではマレーシア森林研究所・セランゴール森林公園(FRIM FPS)がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、マレーシア森林研究所について詳しくなること間違なし!
マレーシア森林研究所・セランゴール森林公園(FRIM FPS)とは?
クアラルンプールと隣接するセランゴール州ケボンに位置する森林研究所兼公園。1926年に林業局長のGESキュービットが、アメリカ人の熱帯雨林の研究者であるFWフォックスワーシーに依頼し、この地に森林研究所を創設したことがきっかけとなりました。ここはもともと開発によって荒れ果てた土地でしたが、フタバガキ科の広葉樹を植えて再生し、その後、年々少しずつ植林が続けられ、現在は豊かな森林が広がっています。
イギリスや日本の植民地時代だけでなく、独立してからも研究が続けられ、現在は2724種の植物が生い茂り、その中には絶滅危惧種の植物が38種類も見られます。そして、園内には184種類の鳥類が生息していて、これはマレーシアで確認している鳥類の4分の1にもなるほど。
マレーシア森林研究所・セランゴール森林公園(FRIM FPS)はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?
マレーシア森林研究所が評価されたのが、以下の点。
登録基準(v)
ここは荒れ果てた土地であったものの、低地から丘陵地帯が存在し、さらには首都から近いということから管理・運用がし易いという環境にあり、熱帯雨林の再生においては優れた例でした。これにより、熱帯雨林の成長に関する研究が行われ、マレーシアの都市部の緑化を促進し、現在の街路樹は世界のどの国よりも多様性が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
マレーシア森林研究所は、荒れ地から熱帯雨林の植林を始め、その成長過程などが研究されたことで、熱帯雨林の植林の技術が高まり、マレーシアの都市部の緑化に大いに貢献したという点で評価されています。
ちなみに、フタバガキはカキノキ(カキノキ科)とは関係なく、果実や葉が似ていることから、この和名が付けられたもの。とはいえ、果実はそのまま食べることがなく、調味料などに利用されたりします。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。