北海道の世界遺産「北黄金貝塚」とは？世界遺産マニアが解説

北黄金貝塚は「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成遺産の一つ。北海道の縄文時代の貝塚において5分の1を占めるほどに巨大な集落遺跡です。ところで、北黄金貝塚はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは北黄金貝塚がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、北黄金貝塚について詳しくなること間違いなし！

北黄金貝塚とは？

北海道伊達市にある縄文時代前期〜中期の広大な貝塚遺跡。標高10〜15mの丘陵に5箇所もの貝塚があり、当時の人々は牡蠣やホタテだけではなく、マグロやヒラメ、さらにはオットセイやクジラなども食べていたことが分かっています。

ここは大規模な集落で当時使用されていたとされる水場跡も発掘。さらに貝塚と墓域が一つとなった祭祀場もあり、ここからは人骨を含む墓とシカの頭骨が発見され、儀礼が行われていたとされています。さらには世界最古の刀も発見され、これはアイヌと和人の分岐点として貴重な資料でもあるのが特徴。

北黄金貝塚はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

北黄金貝塚が評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
北海道・北東北の縄文遺跡群では、土器や土偶などの遺物、墳墓、土塁、ストーンサークルなどが発掘され、これらは世界的に珍しい定住型狩猟社会の文化を示すものであるということ。

登録基準（v）
北海道・北東北の縄文遺跡群は定住地の出現から成熟期までの土地利用が見られ、縄文時代の人々は、食料が採れる川の近くや干潟、森など、農耕社会のように定住地を大きく変えることなく、自然と適応しながら狩猟採集生活を維持してきたということを示しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

北黄金貝塚は、縄文時代前期〜中期の貝塚であると同時に非常に大規模な集落跡で、埋葬も含めた当時の生活の様子が見られ、定住型狩猟社会の文化が分かるという点で評価されています。

ちなみに、伊達市はもともと亘理伊達氏という、かつての仙台藩主伊達氏の分家の人々がこの地に集団移住をしたことから由来していて、北海道では珍しく、アイヌ語にルーツを持たない地名です。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。