登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(8),(9),(10) |
登録年 | 1978年 |
南米大陸から西へ約1000km。ガラパゴス諸島は、19の島々と周辺の海洋保護区すべてが世界遺産に登録されています。 大陸からも離れているため、独自の進化を遂げた動物も多く、19世紀にここを訪れたチャールズ・ダーウィンは ここで『進化論』の着想を得たという場所。ガラパゴス諸島は特異な生態系が多く、「生きた博物館と進化のショーケース」と称されています。
ここでは、ガラパゴス諸島がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ガラパゴス諸島について詳しくなること間違いなし!
ガラパゴス諸島とは?生息している動物やその生態系は?
ガラパゴス諸島は、エクアドルの沿岸から西へ約1000kmに位置する孤島群。太平洋に浮かぶこの島は、ゾウガメ(ガラパゴ)が多く住むことからガラパゴスと呼ばれますが、正式名称は「コロン諸島」。
大小19の島々で構成されるガラパゴス諸島は火山島でもあり、噴火や地震なども発生することも。そして、3つの海流の合流視点でもあり、海洋生物も多く集まるというのも特徴。
ガラパゴス諸島の動物
しかし、最大の魅力は独自に進化した動物たち。大陸から相当な距離があり、肉食動物もおらず、生物は他の地域からも来ることがなかったので、ユニークな動物が多く見られます。
例えば、ガラパゴスゾウガメやウミイグアナも、島によってそれぞれ違った特徴が見られ、フィンチというフウキンチョウ科の鳥に至ってはこの島だけで13種もの固有種が見られます。ガラパゴス諸島には爬虫類約20種、鳥類約60種、昆虫約1000種、植物約900種が生息。周辺の海域には、魚類が約300種、貝類は600種以上も見られます。
1835年にチャールズ・ダーウィンがイギリスから測量船ビーグル号に乗って寄港すると、島ごとにゾウガメとウミイグアナがそれぞれ違うことに気づきます。そして、これがヒントとなり、『進化論』の着想を得ました。ちなみに、「ダーウィン・フィンチ」という鳥がありますが、これはダーウィンが名付けたものではなく、後世に名付けられたもの。
危機遺産
1978年に世界遺産となったこともあり、1990年以降、島は観光地としてしていきます。そして、人口増加のため、家畜やペットなどの外来種が持ち込まれたことで、生態系が壊されつつありました。その結果、2007年には危機遺産リストに登録されてしまいます。
エクアドル政府は移住を制限するなど、環境保存の取り組みが評価され、2010年には危機遺産リストから外されました。しかし、根本的な解決には結びついていないというのが現状。
ガラパゴス諸島はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ガラパゴス諸島が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ガラパゴス諸島は、サンゴからサメ、ペンギンなど、海洋生物の宝庫であるという点。
登録基準(viii)
3つの大陸プレートが海の底で合流し、それが隆起して島々を形成。島は形成された年代がそれぞれ違い、世界でも非常に珍しい地形であるということ。
登録基準(ix)
島は独自の進化を遂げた動植物が多く、フィンチやゾウガメなど、適応放散(一つの祖先から多様な子孫が出現すること)の例であるということ。
登録基準(x)
世界でここでしか生息していないウミイグアナ、世界でも最も低緯度に生息するガラパゴスペンギンなど、固有種も多く、絶滅危惧種に指定されているものも含まれているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ガラパゴス諸島は、3つの大陸プレートがぶつかったことで島が隆起し、ここで海流がぶつかり、海洋生物が多く集まるという構造に。そして、大陸から隔離されたこの地は、生物が独自の進化を遂げていて、ここからダーウィンが『進化論』に結びついたというのが評価のポイントです。
ちなみに、「ガラパゴス携帯」という言葉があるように、日本においてはガラパゴスというのは独自の進化をするという意味を持ちます。誰がこれを使い始めたのかは不明ですが。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。